入笠山とは?
入笠山(にゅうかさやま、にゅうがさやま)は、長野県の中西部にある標高1,955 mの山。 日本三百名山、信州百名山、花の百名山の一つ。赤石山脈( 南アルプス)の北端にある展望の良い山で、ロープウェイを使えば冬でも手軽に登れます。スノーシューハイキングも盛んですね。
難易度的には、雪山登山入門者向けとなります。凍傷・低体温症のリスクが僅かにありますのでご注意下さい。積雪期の入笠山で登山をする場合には、その日の天候や気温に合わせた適切な防寒装備と、一般的な登山装備が必要です。服装は街用のものでも構いませんが、防風性の高いものがオススメです。登山用のレインウェアをお持ちでしたら、ソレで十分ですよ。
*悪天候での雪山登山は大変危険です。散策レベルとは言っても、一応、標高2,000m近い冬山ですので、決して油断しないようにして下さい。雪山散策に適したシーズンは、1月上旬~3月上旬頃までだと思われます。
・滑り止め | チェーンスパイクなど |
・ピッケル(アックス) | 不要 |
・服装 | 適切な防寒着+レインウェア |
・靴 | 登山靴、防寒靴、長靴 |
・スノーシュー | 降雪直後、コース外は必要 |
駐車場・アクセス
駐車場1:富士見パノラマリゾートの駐車場を利用(2,000台)。ゴンドラを利用したい方は、こちらに駐車します。
駐車場2:沢入登山口の駐車場を利用。沢入登山口は、徒歩で登りたい方のためのコースです。少し難易度が上がりますのでご注意下さい。冬季は道路がアイスバーンになりやすく、凍結路の運転が得意な方向けです。
アクセス:富士見パノラマリゾートのホームページ右端にある「アクセス」に詳しく掲載されていますので参照して下さい。ホームページにあったゴンドラ・リフト割引券は、2023シーズンは無いようです。また、ゴンドラ料金が2,000円に値上げされました。
富士見パノラマリゾート:https://www.fujimipanorama.com/snow/
今回のコース
ゴンドラ山頂駅 標高1,799m(トイレ・レストラン・ゴンドラ)
↓20分 ↑20分
入笠湿原 標高1,756m(トイレ)
↓55分 ↑45分
入笠山山頂 標高1,955m
標準コースタイム 2時間20分 距離:4.0km
(ロガー測定値:1時間52分・4.2km)
*雪の状態によって、時間や難易度が変わります。
冬の入笠山に登ってみた♪
2018年2月15日、長野県諏訪郡富士見町にある入笠山を目指して車を走らせた。この日は北八ヶ岳の天狗岳に行く予定だったのだが、当日はかなり風が強い予報だったため、予定を変更したのだ。
あまり下調べをしなかったけど、入門者向けの山なので問題無いだろう。そう思いながら、長野県道40号線を通り、白樺湖経由で入笠山に向かった。前日に雪が降ったのか、白樺湖周辺の道路には、シャーベット状の雪が沢山残っていた。
この日は絶対に晴れると信じていたのだけど……道中で見上げた入笠山の上空には、残念ながら雲が広がっていた。風は予報通りで、そこそこ強い。ただ、入笠山はほぼ樹林帯らしいから、特に危険は無いだろう。
入笠山の登山口の一つである、富士見パノラマリゾートの駐車場には、午前10時頃に到着。今回は、ここからゴンドラに乗って山頂駅に行き、入笠山山頂までのトレッキングコースを散策する予定だ。
散策の準備を済ませ、チケット発券場所に向かう。ゴンドラ(登山)の料金は往復1,650円(当時:現在は2,000円)だが、モンベルカードを提示すると200円引きで購入することが出来る。
ちなみに、富士見パノラマリゾート割引券で検索すると、フツーに同じ割引額で乗ることが出来る(2023シーズンは割引券が無いようです)ため、モンベル会員になる必要はない(笑)。
ゴンドラ乗り場は少し離れた場所にあるため、アスファルトの道を歩くか、スキー場の端っこを通って行く必要がある。なお、スキー場内を通る場合には、全山行中、ココが最も危険な場所となるだろう。
係員にチケットを渡してゴンドラに乗りこむと、山頂駅に着くまで、10分程度の空中散歩になる。富士山や八ヶ岳などが綺麗に見え、展望はとても良いと思う。
*スキー場の端っこが凄まじく滑ります。転倒やスキーヤーとの衝突に注意!
山頂駅に着くと、スキーやスノーボードの方達に交じって、トレッキングの団体さんも準備をしていた。スノーボードの方達を見ていると、久々に滑りたくなってくる。
まあ、昔はそこそこ滑れたけど、ブランクが長すぎてもう駄目だろう。怪我をするからやめておこう……と思いつつ、チェーンスパイクを装着して歩き始めた。
入笠湿原までは、それほど起伏の無い樹林帯歩きになる。ロープやポール、案内板がきちんと整備されているし、大雪の直後以外は踏み跡があると思う。悪天候時に行かない限り、迷うことはないだろう。
途中にある鹿除けのゲート(冬季は開放されている)を通り、少し歩くと入笠湿原に到着する。湿原は……残念ながら、冬季は雪原になるため、見所は特に無い。
*雪山散策には、登山用地図アプリとモバイルバッテリーが必須です。
湿原を通り抜け、冬季休業中の山彦荘の前を通過。この辺りで、沢入駐車場からのルートと合流する。少し行くと、冬季でも使えるトイレもあった。
最近では珍しく、この山は犬連れでも訪れることが出来る。トイレには、ペット専用ゴミ箱も設置されていた。マナーを守って、犬と一緒に雪原散策をするのも良さそう。
*ゴンドラのペット利用料金は一頭500円(800円になりました)です。寒さに弱い犬種には向きませんのでご注意下さい。事前に富士見パノラマリゾートのホームページで情報を確認して、犬の防寒装備をお忘れなく。
通常だと「マナスル山荘(2023年4月、ヒュッテ入笠に名称変更予定)」から黒いポールに従って岩場コースを行くのが普通らしい。しかし、よく下調べしなかったため、花畑を直登して迂回コースに行ってしまった。まあ、どちらでも時間はそれほど変わらないらしいけど……。
ここはスノーシューハイキングで有名な場所である。降雪直後以外は、登山道が踏み固められている可能性が高い。この時も、チェーンスパイクで何の問題も無かった。踏みならされた雪道をテクテクと登り、無事に山頂へ到着。山頂駅から1時間程だった。
山頂はそこそこ広く、道標と二等三角点、方位盤が設置されていた。晴れていれば、日本百名山のうち、22座を見ることが出来るらしいけど……。残念ながら、名だたる山々は雲に包まれていた。
この日の気温は0℃程度と暖かかったものの、山頂は風が強くて寒い。展望も期待できないため、風が避けられるところでお昼を食べてから下山することにした。
昼食後は、岩場コースを下ってみた。そこそこ斜度があって、チェーンスパイクだと少し滑るけど、特に危険な所は無い。サクサク下って花畑に戻った。
途中にヒップそりをすると楽しそうなスポットがあった……が、残念ながら持っていない。そのまま、マナスル山荘へ。しかし、この日は休みだった。
マナスル山荘(2023年4月、ヒュッテ入笠に名称変更)の傍にも綺麗なトイレがあるし、同じ入門用の北横岳よりも、より入門者向けの山だと思う。ゆる〜い散策には良いだろう。
*天候によっては危険なことがあるかもしれません。油断は禁物です! マナスル山荘とマナスル山荘天文館は別の施設です。ビーフシチューが有名なのは、マナスル山荘ですね。
帰りは入笠湿原からスズラン自生地を登り、電波塔を経由してゴンドラ山頂駅まで戻る。スズラン自生地の斜面は斜度が結構あって、ちょっとキツイ。もふもふの新雪だと、スノーシューが無いと厳しいかもしれないと思った。
斜面を登り切り、鹿除け柵の脇を通り抜けて歩き、電波塔を眺めながらゴンドラ山頂駅に戻った。4.2km・1時間52分の散策だった。
帰りのゴンドラに乗りこむと、暖かいおしぼりを貰えた(今はやっていないかもしれません)。ちょっとしたサービスだけど結構、嬉しい。ゴンドラから富士山を撮ろうと頑張ったけど、残念ながら背景と同化していて写らなかった……。
ここはゴンドラからの景色も良いし、のんびりとゆる〜く歩きたい時には良い所だなと思いつつ、諏訪湖の温泉に入るため移動したのだった。
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関連サイト
ヒュッテ入笠(旧マナスル山荘):https://hutte-new-casa.com/
富士見パノラマリゾート(山頂ライブカメラ有り):https://www.fujimipanorama.com/snow/
まとめ
北横岳よりも、さらに雪山入門的な山ですね。降雪直後を除けば道は踏み固められていて、スノーシューが無くても散策が楽しめると思います。
基本的に雪が少な目なので雪山入門用に最適ですが、そうは言ってもそこは雪山です。悪天候の時は非常に危険ですよ。穏やかな晴天の日を選べば、最初の一歩には良い所だと思います。