厳冬期の蓼科山「スズラン峠駐車場から、蓼科ブルーを見に行って来た♪」

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蓼科山とは?

 蓼科山(たてしなやま)は、長野県茅野市と立科町の境界付近にある標高2,531mの火山。日本百名山、信州百名山の一つ。八ヶ岳連峰の北端に位置し、円錐形の 美しい山容から諏訪富士とも呼ばれています。

 難易度的には、雪山登山初級者向けとなります。滑落・凍傷・低体温症のリスクがありますのでご注意下さい。積雪期に登山をする場合には、滑り止め等の一般的な雪山装備が必要です。

*悪天候での雪山登山は大変危険です。

・アイゼン(クランポン)6本爪~12本爪
・ピッケル(アックス)推奨(念のため)
・ハードシェル推奨
・冬山用登山靴推奨
・ワカン(スノーシュー)不要なことが多い

駐車場・アクセス

駐車場: スズラン峠園地駐車場(20~30台程度:雪で駐車スペースが縮小されています)を利用 。他に、北八ヶ岳ロープウェイ方面にある「女の神展望台」にも数台駐車可能。蓼科山は冬季でも人気があり、好天予報の場合には、平日でも満車の可能性があります。駄目なら、北横岳にでも行きましょう。

アクセス:マイカーでのアクセスは、Googleマップ大先生に聞いて下さい。冬季はバスの運行が無いようです。

アルピコ交通:https://www.alpico.co.jp/traffic/
アルピコタクシー:http://www.alpico.co.jp/taxi/

今回のコース

蓼科山登山口 標高1,725m(駐車場・トイレ)
↓180分 ↑120分
蓼科山山頂 標高2,531m

標準コースタイム 5時間00分 距離:5.6km
(ロガー測定値:4時間33分・6.4km)
*雪の状態によって、時間や難易度が変わります。

冬の蓼科山に登ってみた♪

「蓼科ブルー!」

 2018年2月8日、佐久から長野県道40号線を通って蓼科山の登山口の一つである「スズラン峠」の駐車場を目指す。途中、三望台付近で浅間山のモルゲンロートと、下に広がる雲海が見事だったのでしばしの間、展望を楽しんだ。


「浅間山と雲海」

 浅間山と反対側に、本日の目的地である「蓼科山」も見ることが出来た。これからあの傾斜をひたすら登るのか……と思いつつ車を走らせ、午前7時過ぎに目的のスズラン峠駐車場に到着。


「蓼科山は結構急に見えます」

 到着した時には3台しか駐車していなかったけど、散策の準備をしている間に、次々と車が入ってきた。冬でもお手軽に登れる日本百名山とあって、なかなか人気があるようだ。


「トイレは一番右側のものが使えました」

 駐車場で-14℃と、ちょっと寒かったため、ベースレイヤーの上に、フリース+ソフトシェル+ハードシェルを着て歩き始める。登山口から雪道が続いていたが、アイゼンは登りが急になってから装着することにした。


「案内板の裏からトレースが伸びていた」

 大抵は駐車場にある案内板の裏にトレースがあって、そこから直接登ることが出来る。しかし、私は少し道路を歩いたところにある正式な? 登山口から、午前7時45分より登り始めた。


「バス停がある登山口」

 登山口から林間に伸びる、しっかりとしたトレースを踏んで歩いて行く。気温は低かったものの風は無く、少し歩いて体が温まったところで、ハードシェルを脱いでザックに仕舞った。


「トレースバッチリなら初心者でも登れます」

 森をしばらく進むと、大岩が露出する急登になる。通常はこのタイミングでアイゼンを装着すると良いと思う。でも、私は「2,110m地点」まで、そのまま登ることにした。


「急な登りが続きます」

 しかし、登り始めと違い傾斜は急で、場所によっては蹴ってステップを刻まないと登り辛い場所もあった。状況にもよるが、素直にアイゼンを装着して登る方が楽だと思う。


「標高2,110m地点。少しだけ広くなっている」

 標高2,110m地点には、午前8時57分に到着。ここで12本爪アイゼンを装着して、行動食を食べつつ一休み……。この山は急登が続くため、雪上歩行に慣れていない人は、ストックと前爪のあるしっかりしたアイゼンの組み合わせが良いと思う。

 ストックではなくピッケルを使うのも良いと思うが、手を使うようなレベルの勾配ではないため、長めのピッケルじゃないと持って歩くだけになる。


「だいぶ眺めが良くなりました」

 標高2,110m地点からは一旦、林間の平坦な登山道になるものの、少し進むと再び急登が始まる。さらに強くなる傾斜に若干、テンションが落ちるけど、頑張って登って行く。


「写真だとそれ程でもないですが、意外と急でした」

 アイゼンの爪を効かせながら、ゆっくりと登って行くと、やがて縞枯れ地帯に突入する。空の青さと、枯れた枝についた樹氷の白がとても綺麗だ。しばし、疲れを忘れる。

 縞枯れ地帯を登り切ると、大きな岩が露出した場所に出た。蓼科山の岩場は、新雪が積もっていたり、凍っていたりしなければ、特別な歩行技術はいらないレベル。でも、一応は慎重に進んで行く。


「山頂の岩場」

 この日は晴天・微風だったので中厚手のグローブとソフトシェルのままで問題無かったけど、山頂は風の影響をもろに受ける。悪天候の時は、稜線に出る前に装備を整える必要があると思う。


「山小屋」

 赤い棒に従って進んで行くと「蓼科山頂ヒュッテ(冬季閉鎖)」方面と、山頂に向かうトレースに分かれた。もちろん、山頂に向かうトレースを進む。

 やや雪が深かったが、この斜面を登れば山頂だ。頑張って登り、午前10時29分に無事山頂に到着。駐車場から山頂まで、およそ2時間45分掛かったことになる。


「山頂には三角点と道標があります」

 蓼科山の山頂は、遮る山が周囲に無いため、360度の大展望が楽しめる。この日は天気が良かったので、周囲の名だたる山がすべて見えた。


「八ヶ岳方面」

 展望を楽しんだ後は、1等三角点を触って蓼科神社奥宮へと進む。山頂は平らで広く、大きな岩がゴロゴロしているが、締まった雪で覆われているので歩き易い。


「蓼科神社奥宮(本宮)」

 無事に登れたことに感謝しつつ、無事に下りられますように……とも祈願して、先に見える方位盤に向かう。


「見晴らしは最高だ」

 方位盤からは、南アルプスから北アルプスまで広く見通せたが、風通しがよいので顔に当たる風がとても冷たかった。強風時は近寄れないと思う。


「ホワイトアウトしたら怖いかもしれない」

 景色を堪能したので、風裏になる場所でカップラーメンでも作って休憩を取ることにしようかなと思いつつ、テクテクと歩いて蓼科山頂ヒュッテ方面に向かう。


「凍りつく山小屋と西上州方面」

 ヒュッテ側だと、浅間や西上州方面の展望がとても良い。風が当たらないと、太陽光で-11℃とは思えないほどポカポカだ。


「樹氷と浅間山」

 ザックを下ろして食事の準備をしようとしたら、少し風が出てきた。風速は5〜6m程度だけど、用意するのが面倒になってしまったので下山してしまうことにした。


「南アルプス方面」

 毎度のことながら、下山時は「こんなに登って来たっけ?」っと言う位、長く感じる。所々にシリセードでショートカットした跡があるけど、私は訓練だと思いつつ、ひたすらテクテクと歩いて下りて行った。

 樹林帯に入るまで眺めは良いものの、余所見は危ないので注意しながら黙々と下る。やがて樹林帯に入り、この景色にも飽きてきたな〜と思う頃、ようやく駐車場に到着。全行程6.4Km・4時間33分の雪山散策だった。

関連動画「5分で冬の蓼科山(2023年1月下旬)」

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まとめ

 山頂からの大展望が素晴らしい良い山でした。天気が良い日限定ですが、初冬や残雪期よりも雪があって、気温が低く安定している厳冬期の方が登り易いかもしれません。

 天候が良く、トレースがしっかりしている場合には雪山初心者でも問題無く登れます。しかし、急登なのでそれなりの体力と雪山用の装備は必要ですよ。行かれる人は、安全に気を付けてお楽しみ下さい。