冬の北八ヶ岳「北横岳~縞枯山を散策♪」

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北横岳とは?

 北横岳(きたよこだけ)は、八ヶ岳連峰北部にある標高2,480 m(北峰)の火山。正式名称は横岳ですが、10kmほど離れた場所に同じ横岳(南八ヶ岳)があるため、区別のため北横岳と呼ばれているそうです。北八ヶ岳ロープウェイを使えば冬でも手軽に登ることが出来るため、雪山登山初心者にとても人気があります。

 難易度的には、雪山登山入門~初級者向けとなります。滑落・凍傷・低体温症のリスクが少しありますのでご注意下さい。積雪期に登山をする場合には、滑り止めと一般的な登山装備が必要です。

*悪天候での雪山登山は大変危険です。

・アイゼン(クランポン)チェーンスパイク~12本爪
・ピッケル(アックス)不要
・ハードシェル推奨
・冬山用登山靴推奨
・スノーシュー(ワカン)推奨(降雪直後に行く場合)

駐車場・アクセス

駐車場:北八ヶ岳ロープウェイの駐車場を利用(無料/600台)。

アクセス:マイカーの場合には、中央自動車道の諏訪ICから約25km(約50分)。公共交通機関をお使いの場合には、JR中央線茅野駅下車、茅野駅西口のアルピコ交通バス乗り場で北八ヶ岳ロープウェイ線に乗車(約60分)。詳しくは、北八ヶ岳ロープウェイのホームページを参照して下さい。

北八ヶ岳ロープウェイ:https://www.kitayatu.jp/
アルピコ交通:https://www.alpico.co.jp/traffic/

今回のコース

山頂駅 標高2,238m(トイレ・ロープウェイ)
↓ 60分
北横岳ヒュッテ 標高2,382m(山小屋)
↓ 10分
北横岳 標高2,480m
↓ 10分
北横岳ヒュッテ 2,382m(山小屋)
↓ 62分
雨池峠 標高2,248m
↓ 40分
縞枯山 2,403m
↓ 35分
五辻(2,152m地点) 標高2,248m
↓ 40分
山頂駅 標高2,238m(トイレ・ロープウェイ)

標準コースタイム 4時間17分 距離:7.5km
(ロガー測定値:4時間11分・7.9km)
*雪の状態によって、時間や難易度が変わります。

北横岳と縞枯山に登ってみた♪

「雲一つない青空だったのに……」

 2018年1月4日、佐久から長野県道40号線を通り、北八ヶ岳ロープウェイ乗り場を目指して車を走らせた。車中から見た八ヶ岳の山々は雲一つなく、最高の雪山散策になるだろう……そう思った。

 途中、日本百名山「蓼科山」の登山口の一つである「すずらん峠」を通過したら、驚いたことに駐車場が満車だった。皆さん好きだね〜と思いつつ、午前8時15分位に無事に北八ヶ岳ロープウェイ(ピラタス蓼科スノーリゾート)の駐車場に到着。


「駐車場は600台置けるそうです」

 駐車場が広いため、満車と言うことは無かったが、思っていたよりも車が多い。空いているスペースに駐車後、準備を整えてからロープウェイ乗り場へと向かった。


「ロープウェイ乗り場」

 発券所でゴンドラの往復券を購入(当時は1900円→現在は2,600円)。北八ヶ岳ホームページにある割引券*を使用したので200円安く購入することが出来た。

 始発は午前9時なので列に並んで、しばらく待つ。スキー・スノーボードと登山者の割合は3:2と言った所だろうか? 思っていたよりも登山者が多い。

*2019年から、ホームページの割引券は廃止されたようです。モンベルカードやJAF会員証、その他割引券を提示すれば200割引きになります。

「キツツキは凍っていませんでした」

 出発時間になるまでに、かなりの人数が並んだが、早めに並んでいたので無事に始発に乗ることが出来た。しばし、ゴンドラに揺られながら空中散策を楽しみ、無事に山頂駅に到着。

 すぐに出発したい所だったけど、ザックの奥にスパッツなどを積めてしまっていたため、思っていたよりも時間が掛かってしまった。なんだかんだで出発したのは、次のゴンドラが到着した後に……(汗)。


「訓練なので最初から12本爪アイゼンを装着」

 今回のコースだと、ストックと軽アイゼンがあれば十分だと思われる。しかし、訓練が目的のため、最初から12本爪アイゼンを装着。似たような考えなのか、最初から12本爪アイゼンを装着していく方がほとんどだった。


「壺庭を北横岳方面に進む」

 登山道は十分に踏み固められており、アイゼンの歯が効いてとても歩きやすい。気温は−10℃位だったものの、日差しがあって寒さは感じなかった。このまま晴天でありますように……と思いつつ「北横岳」方面に歩みを進めた。

 途中にやや急な斜面もあるが、樹林帯の中を行く、特に危険な場所の無い登山道だ。雪山初心者用と言われるのも納得である。

 ただ、運動不足で訛っている私には、アイゼンを装着しての登りは少し厳しく、何人もの登山者さんに抜かれた。そして「北横岳ヒュッテ」に到着した時には、すでにお疲れモードだった。


「北横岳ヒュッテ」

 取りあえず、行動食を取りながら一休みしていると雲が広がってきた。「あんなに天気が良かったのにどこから湧いたんだ? まさか雪が降ってきたりしないよな〜」と思いながら、山頂を目指して再び歩き始める。


「北横岳南峰」

 ヒュッテから10分少々で「北横岳南峰(標高:2471.6m)」に到着。残念ながら雲に覆われてしまったものの、周囲の景色はなかなかのものだ。

 山頂の気温は-12℃、風速は4〜5mと言った所だが、太陽が陰ってしまったため、じっと景色を見ていると寒い……。すぐ近くに「北峰(標高:2,480m)」があるのでそちらに移動した。


  

「北横岳北峰」

 南峰には誰も居なかったが、北峰には先行者の方達が沢山居た。景色的には南峰の方が好きだけど、北峰の方が「蓼科山」がより間近に見られて迫力があった。


「北横岳南峰」

 いつか、蓼科山にも登ってみようかなと思いつつ、次の目的地である「縞枯山」を目指して来た道を坪庭まで戻る。


「縞枯山方面」

 坪庭でアイゼンを外してザックに入れようとしたのだが、訓練なので今日は履きっぱなしにすることにした。ウインドストッパーの薄手グローブが、汗か結露で濡れたため、厚手のものに交換して先に進む。


「縞枯山荘」

 ここ数日は雪が降っていないようで、周辺の景色は少し物足りなかったが、それでも雪原散策はなかなか楽しいものだ。


「縞枯山方面の分岐」

 縞枯山の登山口には、午前11時36分に到着。予定通りなので、縞枯山から「五辻」に下りてロープウェイに戻る周回ルートを行く。


「何故か縞枯山の方が雪が多かった」

 登山道は、北横岳と同じくトレースがしっかりしていて登りやすい。傾斜もそれ程きつくなく、凍結していなければチェーンスパイクで問題無いと思う。小さな子供連れの人達は、ノーアイゼン&普通の恰好で下って行ったが、下りは軽アイゼンがあった方が良いだろう。


「縞枯山山頂」

 ゆっくりと歩みを進め、縞枯山荘から35分程で「縞枯山」の山頂に到着。山頂は木に囲まれて展望は無い。つまらないので先に進むと、木が枯れて展望が開けた。

 縞枯山の山名の由来は、木の寿命などで交互に木が枯れて縞状になっているからなんだそうだ。でも、冬はイマイチわかり難い。


「風が強い日は厳しそうですね」

 山頂から景色を見ながらゆっくりと進むと、15分ほどで展望台との分岐に到着。雲が広がって展望がイマイチなので、今回は寄らず、五辻まで下ってしまうことにした。


「岩の上が展望スペースになっている」

 この日はしっかりとしたトレースがあったが、降雪後はトレースが無いこともあるらしい。このコースに危険な場所は無いものの、もしトレースがなければ引き返した方が良いだろう。労力はそれほど変わらない。


「最後に休憩した場所から天狗岳方面を望む」

 五辻からロープウェイ乗り場までは、木道の上に雪が積もったなだらかな登山道を行く。特に危険な場所も無く、しっかりとした積雪がある方が歩きやすいと思った。


「山頂駅に戻ってきました」

 ロープウェイの山頂駅には、午後1時30分に到着。全行程7.9km・4時間10分の、ゆる~い雪山散策だった。

 今回は最初から最後までアイゼンを装着してたため、久々に足の筋肉が痛くなった。冬も山に登るなら、夏山も重い靴で鍛えておいた方が良いのかもね〜。

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関連動画「8分で冬の北横岳・縞枯山(2024年1月中旬)」

・暇な人はどうぞ(音注意)

関連サイト

縞枯山荘:https://www.lcv.ne.jp/~simagare/

北横岳ヒュッテ:https://kitayoko.com/

北八ヶ岳ロープウェイ:https://www.kitayatu.jp/

まとめ

 天候等の条件が良く、トレースがあれば、評判通り初心者向けですね。ただ、厳冬期は本格的な雪山と同じ位に気温が低いため、防寒装備はしっかりとしたものを持った方が良いと思います。

 降雪後はトレースが無いこともあります。ラッセルになると、コースタイムよりも遙かに時間が掛かりますのでご注意下さい。初心者向けだから……と甘く見ず、無理をしないで楽しんで下さいね。