厳冬の黒斑山・高峯山「車坂峠から雪山入門コース2座を散策♪」

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黒斑山・高峯山とは?

 黒斑山(くろふやま)は、群馬県嬬恋村と長野県小諸市にある標高2,404mの山。関東百名山・群馬百名山の一つ。浅間山外輪山の最高峰であり、百名山「浅間山」が登れない時の代用とされています。黒斑山から眺める浅間山は、ガトーショコラや黒ごまプリンと呼ばれていますね。

 高峯山「高峰山(たかみねやま)」は、長野県小諸市にある標高 2,106mの山。車坂峠を挟んで、黒斑山の西側に位置しています。コースタイムは往復で1時間30分程と短く、手軽にスノーシューハイキングが楽しめます。

 難易度的には、どちらも雪山登山入門~初級者向けとなります。滑落・凍傷・低体温症のリスクが少しありますのでご注意下さい。積雪期に登山をする場合には、滑り止めと一般的な登山装備が必要です。

*悪天候での雪山登山は大変危険です。入門レベルとは言っても、一応、標高2,000m超えの冬山ですので、決して油断しないようにして下さい。雪山散策に適したシーズンは、12月上旬~4月上旬頃だと思われます。

・アイゼン(クランポン)チェーンスパイク~12本爪
・ピッケル(アックス)念のため携帯
・ハードシェル推奨
・冬山用登山靴推奨
・スノーシュー(ワカン)不要なことが多い

駐車場・アクセス

駐車場:高峰高原ビジターセンター駐車場(30台~40台程度:無料)を利用。満車の場合には、高峰マウンテンパークスキー場(旧アサマ2000パーク)の駐車場が利用できるようです。なお、チェリーパークラインの途中に雪が無くても、高峰高原ホテル付近から駐車場の間は常に凍っているため、冬季はスタッドレスタイヤが必須となります。

アクセス:マイカーでのアクセスは、Googleマップ大先生に聞いて下さい。なお、嬬恋村側の「鳥居峠車坂線」は冬期通行止めとなりますのでご注意下さい。交通機関をご利用の場合には、高峰高原ホテル等のサイトをご覧下さい。

高峰高原ホテル:https://www.takamine-kougen.co.jp/
高峰マウンテンパーク:https://asama2000.com/

今回のコース

・黒斑山

車坂峠 標高1,972m(ビジターセンターは冬季閉鎖・駐車場)
↓ 100分
トーミの頭 標高2,325m
↓ 20分
黒斑山 標高2,404m
↓ 15分
トーミの頭 標高2,325m
↓60分
車坂峠 標高1,972m(ビジターセンターは冬季閉鎖・駐車場)

標準コースタイム 3時間15分 距離:5.1km
(ロガー測定値:3時間28分・5.4km)
*雪の状態によって、時間や難易度が変わります。

・高峯山

車坂峠 標高1,972m(ビジターセンターは冬季閉鎖・駐車場)
↓ 30分  ↑25分
高峰温泉方面との分岐 標高2,075m
↓ 20分  ↑20分
高峯山 標高2,106m

標準コースタイム 1時間35分 距離:2.8km
(ロガー測定値:2時間51分・4.0km)
*雪の状態によって、時間や難易度が変わります。私は登山口と山頂付近でウロウロと彷徨ってしまいました……。

黒斑山へガトーショコラを眺めに行ってみた♪

 2022年2月24日、黒斑山に登るためチェリーパークラインを行く。数日前に纏まった降雪があったためか、路上には凍結している箇所が多くあった。その上に撒かれた大量の融雪剤をタイヤで踏みながら、午前8時頃に高峰高原ビジターセンターに到着。

「高峰ビジターセンター」

 雪山散策用の準備を整え、8時20分から歩き始めた。まずは、道路を歩いて高峰高原ホテル前の登山口へ。当日は風が強く、気温も-12℃位と少し低かったため、粉雪が宙を舞っていた。


「噴火警戒レベルが2以下の時に登れます」

 登山口には噴火警戒レベルの掲示板と登山届入れがある。黒斑山コースは噴火警戒レベルが2以下の時にしか登れないので注意が必要だ。


「ほぼ樹林帯」

 今回は表コースから黒斑山に登り、中道コースから下山する一般的なルートを行く。とても多くの人がこのコースで歩いているため、降雪直後以外は明確なトレースがあることが多い。スノーシューやワカンが無いと歩けない……と言う状況は少ないと思う。


「富士山から八ヶ岳」

 どちらのコースも樹林帯がメインだけど、表コースは展望の良い場所もある。道路からも見えていたけど、雲海の先に、富士山や八ヶ岳が綺麗に見えていた。この日は冷え込んでいて、その雲海の下にある軽井沢や小諸市の木々は霧氷で真っ白だった。


「一旦、下って登り返します」

 登山口から20分程ほど歩くと一旦、下りとなる。この日はトレースの上をサラサラの粉雪が覆っていたため、つぼ足だと少し滑った。折角なので、一部の急斜面をグリセードっぽく滑り下りて通過。


「左端が高峯山」

 つぼ足で登っているとスリップして疲れるので、見晴らしが良くなってきた場所で12本爪アイゼンを装着。チェーンスパイクでも行けると思うけど、雪が多い時は12本爪等のちゃんとしたアイゼンの方が楽だと思う。

*12本爪アイゼンが始めての方は、引っかけによる転倒・転落にご注意下さい。

「半分埋まったシェルタ-」

 雪に埋まりかけたシェルターで少し休憩を取ってから「トーミの頭」へと向かう。ここの斜面は、途中の「槍ヶ鞘」から見ると中々の迫力だけど、実際には傾斜もそれほどキツくなく、難しいような場所も無い。ツルツルに凍結していない限り問題無いと思う。


「槍ヶ鞘からトーミの頭を見て」

 ただし、トーミの頭は浅間山側が崖になっており、滑落すると死亡事故になることもある。周辺でふざけたり、撮影に夢中になってしまわないように注意した方が良いと思う。

*トーミの頭では、2022年2月19日に転落死亡事故が発生しています。浅間側は断崖絶壁ですので、アイゼンの引っ掛けや、不注意による転倒・転落にご注意下さい。

「帰りは晴れていた」

 トーミの頭からは、密で鬱陶しい樹林帯をひたすら登る道となる。途中に浅間山の監視カメラがある以外は特に何も無い。そして、山頂からの眺めも、黒斑山よりトーミの頭の方が良かったりする。


「山頂はガスってました」

 蛇骨岳方面に行くと展望は良くなるが、黒斑山の山頂を踏む必要性を感じなければ、トーミの頭で帰っても良いのかもしれない。


「トーミの頭から槍ヶ鞘方面を見て」

 そんなことを思いながら来た道を戻り、中道コースで駐車場に戻る。このコースに危険なところは無いけど、スノーシューのコースに入らないように注意が必要だ。

 ピンクテープはスノーシューコースを示しているものもあるため、おかしいなと思ったら、すぐにスマホの登山用地図アプリで確認した方が良いだろう。

*雪山散策には、電波が無くても使えるスマホの登山用地図アプリと携帯バッテリーが必要です。寒さに弱過ぎる機種もあるため、防寒対策を忘れずに! 可能であれば、地図用(古いスマホでOK)と撮影用のスマホ2台持ちが良いです。

「中道コースはこんな感じでした」

 木々が生い茂る鬱陶しい樹林帯の道をのんびりと歩いて駐車場へと戻った。5.4㎞・3時間28分のゆるい散策だった。

高峯山でのんびりスノーシューハイキング♪

 黒斑山から駐車場に戻り、アイゼンをスノーシューに変えて高峯山を目指した。霧ヶ峰で壊れたヘリウムBC26を自分で修理してみたんだけど、その強度テストをしてみたかったのだ。


「高峰高原ビジターセンター駐車場」

 事前の情報によると、高峯山は往復で1時間半程の入門コースとのこと。恐らく、安全でゆるいハイキングルートなのだろう。そんな感じだったので、良く下調べをせずに選んでしまった。


「高峰高原ホテル」

 確か、高峰高原ホテルの裏に登山口があったはず……と思いつつ、スノーシューを履いたままホテルの前へ。しかし、ホテルの前には雪が無かった。脱ぐのが面倒なので、高峰ビジターセンター前にある高峯温泉方面への道路からホテルの裏に回った。

*高峯温泉への道路は、冬季はスキー場になっています。スキー場内は立入禁止ですのでご注意下さい。

「正面付近に鳥居があるらしい」

 ここの登山口には鳥居があるらしいのだが、完全に埋没したようで見当たらない。トレースは出来ていたので、そこを辿って登山道らしき場所に入った。


「あまり密では無い明るい樹林帯」

 トレースに従って登って行ったのだけど、黒斑山の登山道とは違って、纏わり付いてくるような木は少なかった。勾配はそれほど厳しくないものの、ちょっと疲れていたため、ゆっくりと登って行く。


「正面の山が高峯山です」

 スノーシューを引きずりながら歩いていると、20分ほどで眺めの良い稜線に出た。右手側がスキー場なのを除けば、展望や雰囲気はわりと良い。


「高峰温泉との分岐付近」

 小さなアップダウンを超えて歩いて行くと、高峰温泉との分岐付近に着いた。すぐ近くにスキー場のリフト乗り場があるのでわかりやすいと思う。


「ミニ雪庇だけど下敷きになったら……」

 分岐付近から少し藪がうるさくなるが、トレースは明瞭だった。スノーシューのツアーコースとして頻繁に歩かれているため、ピンクリボンなどもしっかりと付いていて迷うことは無さそう。ただし、雪庇が出来ている場合には、崩落に注意が必要だと思う。


「最高地点付近」

 トレースに従って歩いていたら、何だか下っているような気がしたので地図を確認。地図上では雪庇が出来ていた辺りが山頂で、神社も近くにあるはずだった。戻って上に登ってみたけど、そのようなものは全く見当たらない。ネットで情報を調べると、神社はもっと先にあるようだ。


「高峯神社」

 先端に向かってしばらく進むと山頂の標識が有り、その先に剣が立っている神社があった。山頂からの眺めは良く、富士山から北アルプスまで見渡せる。


「高峯山頂」

 景色を見ながら休憩した後は、のんびりと来た道を戻った。修理したスノーシュー? もっと割れましたよ(涙)。4.0㎞・2時間50分のゆるい雪山散策だった。

動画「5分で冬の黒斑山と3分で冬の高峯山」

・暇な人はどうぞ(音注意)。なお、テロップはyoutubeの字幕機能を使用しています。表示する場合には、字幕(C)をONにしてご覧下さい(1080P推奨)。テロップの文字サイズや仕様は、字幕のオプションで変更出来ます。

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関連サイト

高峰温泉:https://www.takamine.co.jp/

高峰高原ホテル:https://www.takamine-kougen.co.jp/

アサマ2000パーク(ライブカメラ):https://asama2000.com/

浅間山監視カメラ映像:http://www.sakuken-asama.jp/

まとめ

 どちらのコースも、初心者でも登れる雪山入門的な山です。よく晴れた条件の良い日を選べば、ガチな専門装備が無くても雪山気分を味わうことが出来ますよ。ただし、高峯山は雪が柔らかいことが多いらしいです。スノーシュー、またはワカンが無いと辛いかもしれませんね。

 危険な場所はほとんどありませんが、標高2,000m超えの冬山なのは間違いないので、防寒対策はしっかりとして下さい。

 特別な場合を除き、滑り止めはチェーンスパイクか、6本爪の軽アイゼンで十分だと思います。ただ、凍っていたり、雪が緩んでいる場合には、10本爪以上の本格的なアイゼンの方が安全と言うか……楽に歩けると思いますよ。雪の状況が悪い場合には無理をせず、気を付けてお楽しみ下さいませ。

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