浅間山とは?
浅間山(あさまやま)は、群馬県と長野県の県境付近に位置する、標高2,568mの活火山(前掛山は2,524m)。日本百名山、長野百名山、群馬百名山の一つ。日本有数の活火山であり、日本で最も監視体制の整った火山の一つとして知られています。
難易度的には、雪山登山初級~中級者向けとなります。滑落・凍傷・低体温症のリスクがありますのでご注意下さい。積雪期に登山をする場合には、一般的な雪山登山装備が必要です。
*噴火警戒レベルが1の時にのみ、第二外輪山である前掛山まで自己責任で登ることが出来ます。
*2023年3月23に噴火警戒レベルが2になりました。噴火警戒レベルが下がるまで登ることが出来ません。
外部リンク:火山登山者向けの情報提供ページ(気象庁)
*悪天候での雪山登山は大変危険です。
・アイゼン(クランポン) | チェーンスパイクと12本爪 |
・ピッケル(アックス) | 必要 |
・ハードシェル | 必要 |
・冬山用登山靴 | 推奨 |
・ワカン(スノーシュー) | 推奨 |
駐車場・アクセス
駐車場:天狗温泉 浅間山荘の駐車場(有料50台/1日500円)を利用。現地の指示に従って、適切な場所に駐車して下さい。出発が早朝の場合には、車のドアノブ等にセロハンテープで紙が留めてありますので、それを持って受付で500円を支払います。
アクセス:マイカーを利用して、上信越自動車道小諸I.C.からアサマサンライン経由で約25分。浅間山荘に宿泊すれば送迎を利用できるみたいです。
天狗温泉 浅間山荘:https://tenguspa.com/
今回のルート
天狗温泉 浅間山荘 標高1,412m(日帰り温泉)
↓30分 ↑25分
一ノ鳥居 標高1,547m
↓30分 ↑20分
二ノ鳥居 標高1,707m
↓60分 ↑40分
火山館 標高1,993m(トイレ)
↓25分 ↑20分
前掛け山登山口 標高2,088
↓100分 ↑60分
前掛山 標高2,599m
標準コースタイム:6時間50分・12.8㎞
(ロガー測定値:7時間26分・13.5km)
*冬はコンディションによりコースタイムが大きく変わります。
3月の浅間山(前掛山)に登ってみた♪
2021年3月4日、冬季の浅間山登山口として一般的な「天狗温泉 浅間山荘」を目指して車を走らせた。浅間山荘と言うと、あさま山荘事件を連想する人が居るかもしれない。しかし、アレとは場所が違うのだ。
小諸ICで高速を下り「チェリーパークライン」を行く。途中までは快適なドライブだったものの、天狗温泉へと続く未舗装路に入ると車が揺すられ始めた。
未舗装路としては広く、整備状況はかなり良い方だとは思う。それでもかなり揺れるので、慎重にゆっくりと車を走らせたら、思っていたよりも時間が掛かってしまった。
午前7時頃に浅間山荘の駐車場に到着。適当な場所に車を駐車して、登山の準備をする。ココの駐車場は1日500円。早朝に出発する場合には、帰って来てから支払えば問題無い。
午前7時6分にロガーをセットして登り始める。まずは登山届を提出し、警告板の内容をよく読んでから先に進む。なお、浅間山(前掛山)に登ることが出来るのは、噴火警戒レベルが1の時だけなので注意が必要である。
外部リンク:火山登山者向けの情報提供ページ(気象庁)
蛇堀川に架かる橋を渡ると、しばらくは樹林帯の登山道が続く。今回は雪が少なく、圧雪と無雪が交互に出てくる感じで歩きにくかった。
渓谷沿いを歩いて行くと、雪が斜めになっている場所があった。ここでチェーンスパイクを装着。この地点から少し歩くと一ノ鳥居があり、コースが二股に分かれていた。ここはどちらを通っても二ノ鳥居に辿り着くのだが、冬季は不動の滝コースがオススメ。
滝自体の規模はそれ程大きくは無いものの、この時期は凍って面白い造形になるらしい。この日は怒っている鬼のような感じに見えた。
滝を見た後は急傾斜の登山道を登り、二ノ鳥居を潜って先に進む。すると、登山道脇に薪が置いてあり、火山館まで運んで下さいと書かれた木札が置かれていた。
ザックのスリーピングバックストラップを使って、ほっそーい薪を一本だけ括り付ける。本当はもっと持って行きたかったんだけど、あまり縛れなかったのだ。
テクテクと歩いて行くと、やがて浅間山が見え、谷から硫黄臭(硫化水素臭)がしてきた。結構、強めの臭いで、嗅いでいると硫黄泉に入りたくなってくる。
そこから少し先に進むと火山ガスの警告板があり、その先で小さな沢を渡る。本当に小さな沢なので、大雨の後で増水していない限りは難しいとか、危ないと言うことは無い。
右手に牙山(ぎっぱやま)を見ながら、少しだけ急な斜面を登ると火山館に辿り着いた。ここで、それはそれは細い薪を一本だけ下ろしていたら、管理人さんにお礼を言われてしまった……。少なくて、本当に申し訳ない。
火山館には無料の休憩所やトイレ(協力金200円:休館日は使えない可能性があります)があって利用できる。この先には何も無いので、用事はここで済ませておこう。
火山館から森の中をサクサクと歩いて行くと、草すべり分岐に辿り着く。冬季の草すべりはかなり危険らしい。初心者は近寄らないほうが良いだろう。
湯ノ平高原~賽ノ河原は傾斜の無い明るい森で、特に支障となるような場所は無い。Jバンドとの分岐を経て、前掛山に向けて登り始めた。
*動画だと、この辺で雲がドクロみたいに見えて不気味です。
事前に数日前のレポートを読んだら、ほとんどの人がチェーンスパイクと書いてあったので、浅間山は簡単なのだろうと思っていた。しかし、上の方は斜度が結構あって、チェーンスパイクだと頼りなく思えた。
雪質も、固い雪の上に柔らかい雪が乗っている感じで、爪が短いチェーンスパイクでは心配になった。念のため、途中で12本爪アイゼンに変更。なお、風はそんなに強くなかったので、ピッケルは使用しないで進んだ。
*積雪期浅間山の基本は、12本爪アイゼンとピッケルだと思います。その日の条件によって変わりますので、事前にチェーンスパイクで余裕だったと書かれていても、雪や氷が確実に無い限りは、12本爪アイゼンとピッケルも持って行った方が良いです。
テクテクと登って、立ち入り禁止の警告板に到着。本来の浅間山山頂は立ち入り禁止なのだ。この近くにシェルターがあったので、少し寄って写真撮影。その後、今回の目的地である、第二外輪山の前掛山へと向かった。
前掛け山までは傾斜がそれほど無く、当日は雪も少なかったためか、風が特別に強い日でない限りはチェーンスパイクでも問題が無いように思えた。しかし、外すのが面倒臭くて12本爪のまま行ってしまったため、研ぎ立ての爪が残念なことに……。
前掛山には、午前11時27分に到着。浅間山荘の駐車場からゆっくりと歩いて、およそ4時間10分だった。体力的には厳しく感じなかったので、火山の恐怖感で斜面がキツく見えていただけなのかもしれない。
浅間山において、一番の危険は噴火……。山頂で写真を撮ったら速やかに下山を開始。急ぎつつも、下りながら絶景を楽しむ。この日、遠くの山々は霞が出てイマイチだったが、近くにある四阿山等はとても美しく見えていた。
帰り道……風により、超サラサラの雪でトレースが一部埋まっており、アイゼンの効きが悪くて少し怖かった。慎重に、気を付けながら通過。
無事に下山し、火山の恐怖から解放されたので、雪原でパンを食べながら一休み。しかし、パンを山で食べると凄い時間が掛かるんだけど、私が特別なんだろうか?
そう思いながら火山館まで戻り、チェーンスパイクに戻してのんびりと帰ったのだが、雪が緩んでいたのでかなり滑った。しかも、土が出ているところはグチャグチャ……。
やはり、残雪期よりも、厳冬期の天気が良くて風が弱い日の方が歩きやすいな~と思いつつ、浅間山荘の駐車場まで戻った。13.5km・7時間26分の散策だった。
動画(10分で冬の浅間山)
・今回も動画を撮ってきました。暇な人はどうぞ(音注意)。youtubeの字幕機能でテロップを製作しているので、表示されなかった場合には字幕をONにして見て下さい。
関連記事
関連サイト
天狗温泉 浅間山荘:https://tenguspa.com/
浅間登山のご案内(小諸市役所):https://www.city.komoro.lg.jp/citypromotion/places/6091.html
まとめ
日本でも有数の活火山である浅間山。登ることは一生、無いだろうと思ってましたが、呼ばれたように行ってしまいました。前掛山山頂からの展望は素晴らしく、良い山だなとは思います。……けど、やはり活火山は恐ろしいです。いつ噴火するかわからないので、万人には勧められませんね。
冬季に登る場合には、12本爪アイゼンとピッケルは必携だと思います。条件の良い時であれば、チェーンスパイクとストックでも行けるとは思いますが、例え使わなかったとしても、12本爪アイゼンとピッケルは持っていった方が絶対に良いですよ。あと、活火山なのでヘルメットが推奨されています。持っていたら持参して下さい。
もう行った(行ってみたい)……と言う人は↓