大雪渓から白馬岳「白馬頂上宿舎でテント泊。翌日は白馬三山を縦走♪ 」

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白馬岳とは?

 白馬岳(しろうまだけ)は長野県白馬村と富山県朝日町にまたがる、標高(2,932m)の山。日本百名山・信州百名山の一つ。日本三大雪渓の一つである白馬大雪渓の行列は、夏山シーズンの風物詩になっている……らしい。

白馬岳に登ってみた♪

「大雪渓を登ります」

 2017年9月3日の深夜、白馬岳の登山口の一つである猿倉に続く、長野県道322号線(白馬岳線)を行く。有名登山口の一つであるため、やや細い区間はあるものの、全面舗装で車の通行に不安は無い。

 しばし車を走らせ、猿倉の駐車場には午後11時45分頃に到着。50台駐車可能らしい駐車場は5割ほど埋まっていた。川に近い場所に車を止めて、朝まで仮眠する。

 しかし、川の音がうるさいからか、涼しくて良い環境なのにあまり眠れなかった。まあ、いつもはほぼ無睡眠なので、少し眠れただけでも良いだろう。準備を整え、2017年9月4日の午前5時17分に駐車場を出発した。


「猿倉荘」

 猿倉荘(標高1,250m)で登山届を提出後、トイレ(水洗で綺麗です)を済ませてから、午前5時32分に白馬大雪渓に向けて歩き始めた。

 今回は猿倉登山口から大雪渓を登って白馬岳へ。白馬頂上宿舎にてテント泊をしたのち、9月5日に杓子岳・白馬鑓ヶ岳を縦走。白馬鑓温泉を経由して猿倉に戻る、全行程18.4km・コースタイム15時間26分のコースを行く予定だ。


「白馬鑓温泉方面との分岐」

 猿倉から少しの間だけ登山道を歩くと、白馬尻小屋までは車が通れる林道歩きになる。夜は星が綺麗に見えていたので期待していたが、残念ながら少し雲が多いようだ。

 途中、白馬鑓温泉方面との分岐を通過。翌日はここを戻ってくることになる。そのまま道なりに単調な林道を40分ほど歩いて白馬尻小屋へ。


「よく出てくる石と白馬尻小屋」

 白馬の山行記事などでよく見かける「おっかれさん!ようこそ大雪渓へ」と書かれた大岩が出迎えてくれた。一旦、ザックをおろし、少しだけ休憩。トイレにも寄ってみたが、簡易水洗でまあまあ綺麗だった。安心して使えるだろう。

 小休止後は大雪渓に向けて歩き始める。すでに9月と言うこともあり、雪渓には至る所に 割れ目(クレバス) が大きな口を開けていた。


「割れ目が広がっていました」

 クレバスを避けるように雪渓上に引かれた赤いマーキングを辿った。時期的に雪渓を直登できないようで、2回ほど岸沿いの短い区間の雪渓と巻道を交互に歩く。

 ノーアイゼンで登っている人も居たが、本格的な雪渓歩きになる場所で ほとんどの人は アイゼンを装着していた。私はチェーンスパイクを装着。夏の白馬大雪渓なら、これで問題は無いだろう。

 

「アイゼンを付けた方が歩き易いです」

 ザクザクとチェーンスパイクの爪を効かせながら、快適な雪渓歩きを楽しむ。所々に以前、落ちたと思われる大きな石が転がっていた。

 この日は杓子岳方面で小規模な落石の音がするくらいで大きいのは落ちてこなかったが、音も無く巨大な落石が転がって来ることがあるらしい。上にはいつも注意を払っておく必要があるだろう。


「秋はこの辺までらしいです」

 2時間ほどで大雪渓が終了したので、ここでチェーンスパイクを外す。時期が遅いため、ここからは小雪渓を通らない秋道ルートとなるようだ。

 撮影を忘れたが、葱平(ねぶかっぴら)と呼ばれる場所を過ぎるまでは、不安定で落石が多いため休憩するなとか書いてあった気がする。


「 岩室跡」

 しばらくは岩場の急登を登って行く。快適な大雪渓の登りと比べると、岩の段差が大きく、これが結構疲れる。

 今回は防寒着を多く持って来ているのでザック(アトモスAG65)が重い。さらに、この日は涼しくて、重量物である飲料水をほとんど消耗しないのが辛かった……。


「緊急避難小屋はとても狭い」

 頑張って登って行くと緊急避難小屋に到着。ここでザックをおろして小休憩をとる。なお、猿倉からここまで4時間20分ほど掛かった。

 折角なので避難小屋の中を覗いてみた。思っていたより狭く、数人が座って休める程度の広さしかない。どうやら、本当の緊急用みたいだ。


「天狗菱と言うとんがり」

 左手に天狗菱とか言うトンガリを眺めながらテクテクと歩いて行くと、ようやくテント泊予定地の白馬頂上宿舎が見えてきたが、まだまだ遠い。

 すでに見頃は過ぎている感もあるが、まだ周辺には咲いている夏の花も多かった。時々立ち止まって楽しみつつ、最後の登りを行く。


「白馬岳頂上宿舎」

 白馬頂上宿舎には、午前11時過ぎに到着。猿倉からここまで、およそ5時間半掛かった(ほぼコースタイム通りですね)。

 かなりバテていたが、早くテントを設置して休みたかったので受付へ。食堂&売店でテント場の受付と料金(1,000円*)の支払いを済ませ早速、テント場へ。……しかし、テント場の位置を聞かなかったため、場所がよくわからん(汗)。

*現在(2019年)、キャンプ場使用料は1,200円です。


「テント場への道」

 ここのテント場は建物の陰にあり、周囲を丘で囲われているため、大雪渓側から来ると場所が分かり辛いのだ。しかも、受付への案内はキチンとあるのに、テント場への案内はほとんど無い。

 しばし彷徨ったが、テント場の場所を聞いて無事到着。時間が早かったためか、テントはほとんど張られていなかった。


「貼ってあったテント場の案内図」

 地形的には影響が無さそうにも思えるが、ここは風が強いことで知られているそうなので、出来るだけ風が弱そうな場所にテントを設置。中に入ってしばらく休む。なお、石混じりでペグはほとんど効かないので、回りの石で張り綱を固定する必要があった。

 テント場のトイレはボットンタイプであるが、気温が低いためか日中でもほとんど臭わなかった。トイレットペーパー完備で、夜間に電気が付くのも利用しやすくて良いと思う。


「上から見たテント場」

 この日は高曇りで日が弱く、五月蠅いハナアブもすでにほとんど居なかったので快適に休憩がとれた。白馬岳頂上を目指すことにする。

 山頂までは、危険個所の無い、単調な登りの散策道を行く。晴天とはいかなかったが、雲が高く、少し登った辺りから剱岳や立山が綺麗に見えた。


「日本最大級の山荘」

 頂上宿舎から20分ほどで白馬山荘に到着。日本最大級とのことで、流石に大きい。手ぶらで来たので、売店でコーラ(500円)と山バッチを購入して山頂へ。

 展望を楽しみながら15~16分ほど歩くと山頂に到着。遮るものが無い、360度の大展望は最高だった。人気があるのも頷ける。


「日本海側は断崖絶壁」

 山頂の長野県側は絶壁で、覗き込むとなかなか怖い(笑)。流石に人気の山だけあって、山頂にはひっきりなしに人が来ていたので、人を写さない様に道標を撮影するのは不可能だった。平日でコレなので、連休などは休憩を取るのも難しいかもしれない。

 山頂から10分程で白馬山荘まで戻ってきた。折角なので、レストラン スカイプラザ白馬によって何か食べて行くことにする。


「ケーキセットを注文」

 ケーキセット800円を注文。しばらくの間、まったりとした時間を過ごす。値段もメニューも街とそんなに変わらないし、とても3,000m近い山の上とは思えない。まあ、たまにはこう言うのも良いと思う。

 テント場まで戻って来たら青空が広がった(涙)。まあ、もう行く気にはならないので、給水用の黄色いタンクから飲料水を汲んで、以降はテントの中で横たわって過ごすことにしたのだった。

*黄色いタンクは飲料水でそのまま飲むことが出来ます。

大雪渓から白馬岳……2日目

 2017年9月5日、白馬岳頂上宿舎のテント場にて、午前3時に目が覚めた。ハイドレーション給水するため外に出ると、綺麗に星が 見えていた。今日は良い散策日和になりそうだ。

 今回は周囲の方達も早くからテントの撤退作業を開始していた。私も遠慮することなく食事をしたり、テントの撤退作業を始める。隣接したテントがあると、早朝の撤収作業には気を遣うのだ。


「白馬岳とご来光」

 風がそこそこあったためかフライシートの結露が無く、テントの撤収作業は順調に進み、午前5時頃には白馬岳頂上宿舎のテント場を出発することが出来た。

 テント場の斜面を登って稜線上へ。丁度、日の出のタイミングだったため、テント場から近い丸山(標高2,768m)でご来光を見ようかなと思ったが、風が強いのと、東側の展望がイマイチなので杓子岳方面に少し歩く。


「立山連峰と剱岳」

 最低鞍部に向けて少し歩いた辺りに風を避けられるところがあった。ここで少し待機して、日が昇るのを待つ。ご来光は泊まらないとなかなか見られない。しばしの間、最高の瞬間を味わった。

 ご来光を拝んだ後は、白馬三山の一つである杓子岳に登る。崩れやすい小石が積み重なった九十九折の急登で、かなり疲れそうだと思った。しかし、折角なので巻道ルートを進みたいと思う気持ちを抑えて杓子岳の山頂へと向かう。


「これから行く杓子岳、白馬鑓ヶ岳」

 杓子岳の上部は斜度がキツくて苦労したが、分岐から20分程度で山頂に到着。山頂には道標と北側にケルンがあった。

 杓子岳稜線からの展望は最高で、八ヶ岳の向こうに富士山も見えた。しばらく周囲の景色を楽しんだ後は、白馬鑓ヶ岳方面へと進む。


「長野側は断崖絶壁です」

 杓子岳も、白馬岳と同じように長野県側が切れ落ちている。かなり幅があるので普通に歩いていれば落ちることはまず無いが、滑落すると助からないだろう。あまり近寄らないように歩いて行くようにする。

 杓子岳から下山して振り返って見る。中腹に伸びる巻道の下に、もう一本道があるのが見え、アレはどこに行くんだろう?っと思いつつ、白馬鑓ヶ岳に向けて登山道を登って行く。

 杓子岳から白馬鑓ヶ岳へはそれ程危険な所も無く、1時間程で山頂に到着することが出来た。ザックを下ろして行動食をとり、しばし絶景を楽しみながら休憩をとる。


「白馬鑓ヶ岳山頂」

 この日は天気が良く、山頂からは北アルプスの山々がよく見えた。眼下に見える天狗山荘には荷揚げのヘリコプターが行ったり来たりしていた。雪害*の修理は進んだのだろうか?

*2019年もテント場と売店のみの営業となっています。

 休憩後は白馬鑓温泉に向けて下山を開始。しばらく下りてから、白馬鑓ヶ岳を振り返って見ると、何だか砂利山のように見えた。どうして鑓ヶ岳*と言う名前が付いたんだろうか……? そう思いつつ、分岐を鑓温泉方面に下って行く。

*麓から見たら、ちゃんと槍の様に尖ってました。


「盛期ならお花畑が広がってそうです」

 ひたすら下り、大出原辺りで白馬鑓ヶ岳方面を振り返る。この辺りは、盛期には高山植物のお花畑が広がりそうだ。しかし、すでに季節は秋に移行しており、チングルマの綿毛が風に揺れていた。

 その後もひたすら下って行くと、大出原から30分位で「この先 鎖場事故多発 ストックしまって 両手をあけて!」と書かれた注意書きが出てくる。そこから7分程下ると、危険と言われている鎖場となる。


「鎖場の岩はすご〜く滑ります」

 鎖が掛かっている場所は全部で5か所あるが、一見すると、どれも大したことは無いように見える。ただ、この辺りの岩は滑りやすさで定評のある蛇紋岩のようで、やたらと滑るのだ。

 しかも、小さな沢や水が染み出ている場所が多数あり、靴の裏が常に濡れている状態になる。そのため、晴れていても非常に危険。普段、鎖を使わない派の人も鎖を使った方が安全だと思う。


「鎖場を見上げて……」

 鎖場を下り終えてから見上げてみる。高度感は全くと言って良いほどなかったが、落ちると大変なことになる可能性がありそうだ。

 その後も片側が切れ落ちていたり、石が滑り易かったりするので気を付けて歩いて行くと、やがて白馬鑓温泉の建物が見えてきた。

 白馬鑓温泉には午前9時40分に到着。朝、白馬岳頂上宿舎のテント場を出てから4時間40分ほど掛かった。早速、受付で入浴料500円を支払って温泉へ。


「白馬鑓温泉の建物とテント場」

 硫黄臭が香る極上の温泉であるが、余り長居すると歩けなくなってしまうので10分位で出る。入浴後は売店で500円のポンジュースと温泉バッチを購入して、しばしパンを齧りながら大休憩を取った。

*屋根付きのベンチがあり、通過の登山客でも安心して休憩できます。

 白馬鑓温泉小屋に45分ほど滞在した後は、猿倉に向けて下山を開始。だいぶ崩落しているが、周囲にはまだかなりの量の雪が残っていた。


「雪渓とお花畑」

 雪渓と黄色い花(ミヤマキンポウゲ)を眺めつつ下り、沢に架かる橋を渡る。橋を渡るポイントは、早期には雪渓を渡る場所になっているようだ。

 特に語られることの無い、白馬鑓温泉〜猿倉間の登山道。しかし、道は歩きにくく、急斜面のトラバースなので、山に慣れていないと怖いと感じる場所もあるかもしれない。


「道幅があるので大丈夫です」

 地味に効いてくる小さなアップダウンを越えて歩いて行くと、スカンポのような山菜が荒され、周囲に大きな動物の糞が複数、落ちている場所があった。熊ではないかと思われるため、朝夕に歩く人は要注意かもしれない。

 小日向のコルに至る登り返しが疲れた体にはキツかったが、登り切れば後は下るのみだ。頑張って下り、ようやく昨日の朝通過した分岐まで到着。疲れた〜と思いつつ、猿倉荘に向けて歩いて行く。  


「駐車場は六割ほど埋まっていました」

 登山口の猿倉荘には午後1時37分に到着。下山届の必要はないみたいなので、猿倉荘はスルーして駐車場に止めた車に戻ってロガーを停止。2日目は12.8km・8時間44分27秒の散策だった。

大雪渓から白馬岳の感想

 大雪渓は初めて登ってみましたが、雪渓は意外と固くて歩きやすかったです。ただ、もう少し早い時期に行きたかったです。7月下旬〜8月中旬位までが良さそうだと思いました。

 あと、9月初旬だともう寒いですね。長袖のアンダーに、フリースジャケット、ライトダウンジャケットに、モンベルのダウンハガー800#3に包まって、やっと眠れる位でした。防寒対策はしっかりとした方がいいです。

 コースの感想としては、人気があるので整備状況は良いです。ただ、鑓温泉上部の鎖場はかなり滑りやすく、油断すると危ないと思いました。ただ、しっかりとした鎖が張られているので、気を付ければ大丈夫だと思います。他はよくある普通の登山道です。

 2日目は晴天に恵まれ、最高の散策になりました。この年の夏は全く予定通りに進まなかったので、天気が良くて最高でした。

 白馬鑓温泉上の鎖場は、蛇紋岩らしき岩が恐ろしく滑ります。鎖を手摺替わりにして、安全に通行しましょう。すれ違う時は、特に安全に注意して下さいね。

今回のコース

1日目

猿倉荘 標高1,250m(トイレ・水場・宿泊・登山届)
↓ 60分
白馬尻小屋 標高1,543m(トイレ・水場・宿泊・テント場)
↓150分
岩室跡 標高2,325m
↓120分
白馬頂上宿舎 標高2,757m(トイレ・水場・宿泊・テント場)
↓ 20分
白馬山荘 標高2,836m(トイレ・水場・宿泊)
↓ 15分
白馬岳山頂 標高2,932m

一日目の標準コースタイム: 登り 6時間5分  距離:6.4km
(ロガー測定値:山頂区間未計測)

2日目

白馬頂上宿舎 標高2,757m(トイレ・水場・宿泊・テント場)
↓ 60分
杓子岳 標高2,812m
↓ 86分
白馬鑓ヶ岳 標高2,903.2m
↓ 20分
白馬鑓温泉分岐 標高2,748m
↓150分
白馬鑓温泉小屋 標高2,006m(トイレ・水場・宿泊・テント場・温泉!)
↓ 110分
小日向のコル 標高1,827m
↓ 110分
猿倉荘 標高1,250m(トイレ・水場・宿泊・登山届)

2日目の標準コースタイム :登り 8時間56分  距離:11.3km
(ロガー測定値:8時間44分27秒・12.8km)

撮影日時:2017年9月4~5日

外部サイト
関連サイト1:白馬岳だより( https://www.hakuba-sanso.co.jp/

駐車場(猿倉駐車場を利用。およそ50台。トイレは猿倉荘のみ)