*2019年の台風19号による登山道や温泉の状況は、妙高観光局のサイトをご覧下さい。現在、大倉谷(燕新道ルート)が通行止め→令和6年6月に解除されているようですが、お出かけの前に詳しくお調べください。
*令和3年度の大雪により妙仙橋が損壊した為、当面の間、燕温泉-麻平 区間が通行禁止となったようです→令和6年9月1日より開通になったようです。詳しくは妙高観光局のサイトをご覧下さい。
妙高観光局:https://www.myoko.tv/
妙高山とは?
妙高山(みょうこうさん)とは、新潟県妙高市にある、標高2,454mの活火山。日本百名山、新潟百名山の一つ。別名は越後富士。戸隠山、黒姫山、妙高山、斑尾山とともに、北信五岳のひとつに数えられています。また、妙高火山群の主峰であり、火打山、焼山と並ぶ、頸城山群でもあります。
駐車場・アクセス
駐車場:燕温泉の日帰り者用駐車場(30台程度)を利用
アクセス:マイカーでのアクセスは、Googleマップ大先生に聞いて下さい。公共交通機関をご利用の場合には、新潟県妙高市大字関山にある「えちごトキめき鉄道妙高はねうまライン」の関山駅から、妙高市市営バスが運行されているようです。
妙高市市営バス:https://www.city.myoko.niigata.jp/docs/892.html
今回のコース
燕温泉 標高1,105m(温泉・自販機・トイレ、登山届)
↓ 90分
北地獄谷分岐 標高1,599m(麻平方面との分岐)
↓ 69分
天狗堂 標高1,932m
↓120分
妙高山 標高2,454m
↓ 60分
長助池分岐 標高2,036m(火打ち山方面との分岐)
↓ 20分
長助池 標高1,941m
↓ 40分
大倉分岐 標高1,766m
↓ 50分
大倉沢 標高1,377m(渡渉点)
↓ 25分
麻平 標高1,309m(天狗堂方面との分岐)
↓ 30分
燕温泉 標高1,105m(温泉・自販機・トイレ、登山届)
標準コースタイム:8時間24分 ・10.8km
ロガー測定値:9時間30分・12.3km
撮影日時:2019年10月10日
燕温泉から周回してみた♪
2019年10月10日の深夜、妙高山の登山口の一つである、燕温泉の日帰り者用駐車場に到着。燕温泉は、それなりに有名な温泉地。道中に不安な所は無い。
明るくなるまで、車内で仮眠を取りながら待つ。ここの駐車場は斜面の途中にあり、少し傾いているものの、仮眠を取るくらいなら問題無い。24時間使えるトイレもある。
午前5時頃になると、登山者の車が多くなってきた。もう少し寝ている予定だったけど、私も朝食を取ってから散策の準備を開始。午前5時53分にロガーをセットして駐車場を出発した。
トイレの傍に案内板が有ったのでコースを確認。今回はオレンジ色の北地獄谷コースから登る予定だ。燕温泉から登る場合、この北地獄谷コースを登っている人が多いようなのだが、このコースはサブコース扱いらしい。
ただ、このコースには途中に見応えのある滝があり、確認したいと思っていた野天湯もある。予定通りに北地獄谷コースから登ろう……そう思いながら、朝焼けの温泉街を登山口まで歩いた。
燕温泉を訪れるのは二度目なのだが、とても良い温泉だったと記憶している。下山後の温泉が楽しみだ♪
温泉街を抜けると、車両進入禁止の掲示がある登山口に着く。右側が麻平を経由するルート、左側が北地獄谷を経由するルートだ。 私は北地獄谷コースを行くので、左側に進路をとった。
……が、その前に登山届を提出しておく。妙高山・火打山、自然環境保全協賛金500円(任意)もポストに入れておいた。すぐ近くのお堂で散策の安全をお願いして、山頂を目指して歩き始める。
コンクリート舗装の道を少し進むと、黄金の湯と言う野天風呂に着く。以前、入ったことがあるのだが、硫黄臭がする良質な温泉は最高だった。入浴料は無料となっているが、入浴する場合には、少額でも良いのでお礼金を入れると良いだろう。
引き続き、コンクリートで舗装された道を歩く。この日は完全なる晴天で、これから行く妙高山がよく見えていた。
しばらく登って行くと、登山者カウンターのある細い道に着く。ここから先が北地獄谷コースだ。
上流の称明滝まで、道幅の平均が80cm程度のコンクリート道を行く。片側は基本的に断崖絶壁だ。道幅があるので危険性は低いものの、もし間違って落ちたら、天に召されることになるかもしれない。注意して歩こう。
駐車場から一時間程歩くと、赤倉温泉の源泉管理小屋に到着する。この上流に湧く源泉を集めて、山麓の赤倉温泉まで引き湯しているらしい。ここから赤倉温泉まではかなりの距離がある。今の時代に新設となると、絶対に無理だろうな~と思う。
源湯と書かれた場所からは、パイプから水が出ていた。源泉地なので当然、お湯が出ているのだろうと思うかもしれないが、出ているのはただの水。
地図上で水場に指定されているので、飲料水が少なかったら補給しておくと良い。なお、ここにも野天風呂があるのだが、無断で入浴するのは避けた方が良いと思う。
源泉管理小屋からは、しばらくの間、階段と急なスロープが並走している区間になる。ここは階段を登った方が楽で安全だと思う。そこを5分ほど歩くと、称明滝と光明滝と言う、二段の滝がよく見えるようになってくる。
上に位置する称明滝の下には、有名な野天風呂*がある。落石で危険なため、お湯が張られていないことも多いらしいが、この日は硫黄臭のする白濁の温泉で満たされていた。入ったら最高だと思うけど、今回は登山がメイン。手を入れるだけに留めて先に進んだ。
*少しぬるめですが、良い温泉ですよ。お湯が張られていればおススメです。滝直下にも源泉がありますが、一般人の入浴には不向きですね。なお、滝の手前にあるロープが掛かったコンクリート道から落ちたら、高確率で天に召されることになるので注意して下さい。
滝との分岐から登山道に戻る。この辺りは少し道が悪く、雨の後は滑りそうだなと思った。特に下りは注意が必要だと思う。
しばらく斜面を登って行くと、やがて石が組まれた道となり、すぐに渡渉点となる。温泉成分で白く濁っているものの、川の水は温かく無い。
川沿いを少し進むと、麻平方面との分岐(四合目)に着く。右側が麻平方面(燕温泉方面)、左側が山頂方面なのだが、道標の表示方法が悪く、麻平方面に誘導されそうになるので注意が必要だ*。
*二人ほど誘導されてました。すぐ上に山頂方面との分岐が再度あるので、ここで間違えても問題は無いのですが……。
先ほどの分岐のすぐ上にも湯道分岐と言う分岐がある。先程、間違えて麻平方面に進んだ場合には、ここで妙高山山頂方面に復帰できる。しかし、少しだけタイムロスをするかもしれない。
湯道分岐から20分程進むと、胸突き八丁入口と書かれた場所に着く。ここから天狗堂まではひたすら急登となる。危険度は低いものの、その名に恥じない結構な急登であった。
胸突き八丁を何とか登り切って、天狗堂には8時40分位に到着。駐車場から、およそ3時間……すでにバテバテなので、行動食を齧りながら休憩を取った。この辺りから木々が低くなり、日当たりが良くなってくる。日焼け止めを塗っておいた。
天狗堂で妙高高原スカイケーブル経由のルートと合流するせいか、天狗堂からはよく整備された明るい登山道になる。
大したことの無い登山道だが、すでに疲労が激しく、這うようにして登って行くと、やがて風穴(かざあな)と言う場所に着いた。冷風が出ているのかなと思ったが、特にそのようなことは無いようだ。
さらに登って行くと、やがて鎖場が出てくる。階段状にステップが刻まれ、手摺として鎖が張られている感じの場所なので、慎重に行けば特に問題は無いだろう。
鎖場の上部はトラバース状になっているが、こちらも足場が良いので問題無い。岩が乾いていれば、特に心配する必要はないと思う。ただし、油断はしないようにしたい。
この辺りまで来ると、遮るものが無いので展望は最高だ。眼下には南地獄谷から立ち昇る噴煙が見えたが、こちら側には入れる野天湯は無いらしい。小さく、大谷ヒュッテ(避難小屋)も見える。
この日は、遥か先にある富士山もよく見えていた。 富士山は色々な所から見られるけど、これが見えると嬉しくなる。やはり日本のシンボルなのだろう。
視線を替えて白馬岳方面を見ると、かつて歩いた稜線がクッキリと見え、その後ろには剱岳も見えていた。ここまでスッキリと晴れた日に登れることは少ない。ちょっと感動しながら景色を楽しんだ。
鎖場を登り切ると、登山道はやがて岩場になってくる。ただ、ここの岩場は足場がしっかりとしているので特に問題無い。慎重に登って南峰の山頂に立った。
妙高山と言うと、北峰の山頂を指すようだが、南峰の方が微妙に標高が高い。山頂にある将軍地蔵の石像の後ろには、すぐ近くにある、火打山と新潟焼山が存在感のある所を見せていた。
一通り景色を眺めた後は、北峰へと向かう。道中には、見上げるほどの巨大な岩がいくつか聳え立っていた。岩には名前の付いているものもある。しかし、その由来については何も書かれていない。
何故、日本岩なのか由来を書いておいてくれれば良いのにと思いつつ、南峰から10分ほどで三角点のある北峰に到着。ザックを下ろして大休憩を取った。
それにしても、この日は天気が良かった。遮るものが何も無いから、見える範囲はすべて見えた感じだ。思えば、嵐の前の静けさと言うものだったのかもしれないが、本当にアタリの日だった。
北峰で30分程休憩を取った後は、長助池方面(燕新道方面)に下る。このルートは、2019年の山と高原地図から破線扱いとなったらしい。しかし、山頂に居た人によると、長いだけで険しい所は無いとのことだった。
火内山方面との分岐である、長助池分岐までひたすら下る。ここもなかなかの急勾配で、登るとなると大変そうだった。分岐にあるベンチに座って少し休憩を取った後は、予定通り長助池方面へと進む。
分岐から長助池間は少し荒れている区間はあるものの、迷いやすそうなところにはしっかりとピンクテープが付いていて、特に問題になる所は無い。コースタイム通り、分岐から20分ほどで長助池に到着。
長助池は、燕新道コースの唯一の見所だと言う。確かに素晴らしい所で、丁度、周囲の山も紅葉しており、絶景を堪能することが出来た。
長介池から芝沢と言う場所付近までの登山道はやや荒れ気味だったが、そこから先は笹が刈られ、しっかりと整備されていた。特に危険な所も無く、普通に歩いて黄金清水と言う水場に到着。
黄金清水は冷たくて美味しい清水だった。飲料水が少なくなっていたので、しっかりと補給してから出発。
黄金清水から先の登山道も、しっかりと笹が刈られ、滑り易そうなところにはステップも刻んであった。つい最近、整備されたようだが、特に危険な所も無く歩き易かった。
ひたすら歩いて行くと、やがて橋が架かった渡渉点に着く。以前は橋が無かったらしいが、新しく整備されたらしい。
この橋の所で、草刈り機やスコップを持った人たちが休憩していた。この日も登山道の整備をしてくれたようだ。有り難い限りだ。
*2,019年の台風19号による増水で、この橋は流されてしまったようです。現在は通れるようになっていますが、登山道が荒れているようですね。
川に沿っていくと、すぐに二本目の橋が見えた。この時は橋を渡らなくても行けるように整備されていたが、増水すれば状態は一変するだろう。水が多い時の渡渉は難しいと思われる。大雨の後や、大雨が予想される時には、燕新道は選択してはならないルートだ。
渡渉点から一旦、登り返すとブナの林が広がる。その中をひたすら歩き、ようやく麻平分岐に到着。その後も頑張って下り、惣滝方面*との分岐を経て、目的地の一つであった妙仙橋のたもとに辿り着いた。ここには、河原の湯と言う野天風呂があるのだ。
*惣滝付近にも源泉があるのですが、この時は通行止めとなっていました。
橋の横に下りる道があるので、そこから少し歩いて目的の温泉に浸かる。泉温は40度位だろうか?白濁し、硫黄臭が適度に香る極上の温泉だ。あまりにも気持ちが良いので、ここから帰りたくないな~と思いながら、しばしの間、極楽温泉休憩を楽しむ。
ずっと入っていたかったのだが、そう言う訳にも行かない。仕方なくお湯から上がって帰路に着く。帰りに、温泉街の土産物屋で笹餅と登山バッチを買って、下山届を出してから駐車場へ。
*河原の湯は冬季閉鎖されます。
車まで戻り、荷物を放り込んでからロガーを停止。12.3km・9時間30分の、少しハードな散策だった。
燕温泉から妙高山を散策した感想
この日は天気が良く、最高の散策が出来ました。妙高山は展望がとても良く、晴れていればおススメ出来る山でしたね。このルートは温泉好きにも最高ですよ。
ただ、何処から登っても、それなりの体力を要求されます。初心者をいきなり連れて行くようなことはしない方が良いですね。私は登りでバテました。
帰りに使った燕新道ルートは、山と高原地図では2019年から破線扱いになっていますが、整備が入った直後だったらしく、この時は快適に歩けました。増水していない限り危険個所は無いと思いますが、洪水等で地形が変わっています。十分に注意して下さい。
秋は下山が日没後になる可能性があるため、ヘッドライトは絶対に持って行った方が良いです。また、10月中旬以降は降雪があるかもしれないので注意して下さい。
もう行った(行ってみたい)と言う人は……
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