ロープウェイで中央アルプスの木曽駒ケ岳・宝剣岳「山頂から馬の背を下り、濃ヶ池・駒飼ノ池を散策」

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木曽駒ケ岳とは?

 木曽駒ケ岳(きそこまがたけ)は、長野県上松町・木曽町・宮田村の境界にそびえる標高2,956mの山。中央アルプスの最高峰であり、日本百名山、信州百名山、新日本百名山、花の百名山の一つ。アクセスする登山ルートは沢山ありますが、ロープウェイを使うとお手軽に登ることが出来ます。

冬の木曽駒ヶ岳はこちら……

駐車場・アクセス

駐車場:菅の台バスセンター駐車場(300台/24時間800円)を利用。

アクセス:中央アルプス駒ヶ岳ロープウェイのホームページを参照。

中央アルプス駒ヶ岳ロープウェイ(ライブカメラ有り):https://www.chuo-alps.com/

今回のコース

千畳敷 標高2,638m(ロープウェイ・自販機・トイレ、登山届)
↓ 60分 
宝剣山荘 標高2,867m(山小屋)
↓20分
宝剣岳山頂 標高2,931m
↓ 20分
宝剣山荘 標高2,867m(山小屋)
↓ 40分
駒ケ岳頂上山荘 標高2,868m(山小屋、テント場)
↓ 20分
木曽駒ケ岳 標高2,956m
↓ 60分
馬の背 八合目 標高2,672m (濃ヶ池分岐)
↓ 20分
濃ヶ池 標高2,659m
↓ 50分
駒飼ノ池 標高2,715m
↓ 40分
宝剣山荘 標高2,867m(山小屋)
↓ 60分
千畳敷 標高2,638m(ロープウェイ・自販機・トイレ、登山届)

標準コースタイム:6時間30分 ・7.3km
ロガー測定値:6時間22分・7.9km

撮影日時:2019年9月19日

9月の木曽駒ケ岳に登ってみた♪

「ロープウェイ山頂駅を見下ろして」

 2019年9月19日、中央アルプス駒ケ岳ロープウェイへアクセスするためのバス停がある、菅の台バスセンターを目指して車を走らせた。ロープウェイ乗り場がある、しらび平までの道路は一般車通行禁止のため、路線バスに乗らないと行けないのだ。

 ただ、菅の台バスセンターまでのアクセスは抜群に良く、流石は有名観光地と言った所だろう。私はマイカーだが、電車やバスなどの公共交通機関を使っても簡単にアクセスすることが出来る。


「バス・ロープウェイきっぷ売り場」

 午前5時過ぎに駐車場(24時間800円)に車を入れ、散策の準備を整えてから、バス・ロープウェイきっぷ売り場の列に並ぶ。

 しばらく待っていると、午前5時40分頃にチケット売り場が開いた。バス・ロープウェイチケットは、2019年9月19日の時点では4,130円だった(2023年から、シーズンや曜日により料金が変る、変動制になりました)。

関連サイト:駒ケ岳ロープウェイ( https://www.chuo-alps.com/

「ちょっと高いかも……」

 チケットを買い、列に並んで路線バスを待つ。 紅葉シーズンのバスは、平日は午前6時15分始発(休日は午前5時15分)となっているが、沢山の人が並んでいるからか、臨時便が6時に出た。人が多い場合には、頻繁に臨時便が出るらしい。


「バスは満員でした」

 菅の台バスセンターからロープウェイ乗り場までは、一般車通行禁止の狭い山岳道路をバスで30分の道のりだ。曲がりくねった道を、満員のバスで揺られるのは快適では無かったけど、車窓からは眼下に渓谷が見えていた。紅葉の時期は綺麗かもしれない。


「始発は満員」

 しらび平のロープウェイ駅にバスが到着すると、写真を撮る暇も無くロープウェイ乗り場へと送られる。ザックは下ろして、足元に置くように指示されるのでその通りにした。


「この時点で展望は良い」

 始発のロープウェイはもちろん満員。ギュウギュウで展望を楽しむのは難しかったものの、山頂駅が近づくにつれ、眼下に雲海が広がって行くのが見えた。


「紅葉にはまだ早かった」

 ロープウェイを下り、山頂駅で登山届を出した後、駒ケ岳神社で参拝をして登り始める。山頂駅には自販機があるため、買い忘れた人は補給しておくと良いだろう(山小屋でも買えますけど)。


「信州駒ケ岳神社」

 千畳敷カールは有名な観光地。散策道は完全に整備されている。サンダルやハイヒールとかじゃない限り、散策道を歩くのに支障は無いだろう。準備運動がてら、のんびりと散策をしながら登って行った。


「整備された散策道」

 千畳敷の散策道から駒ケ岳方面に進むと、道はそれなりの急登になってくる。整備状況は良く、それほど厳しい登りではないが、体力の無い私にはそれなりに辛い。


「お手軽に最高の展望が見れます」

 ある程度まで登って振り返ると、雲海の向こう側に南アルプスの山々と富士山を見ることが出来た。千畳敷のみの散策目的でも、少しだけ登山道を登ってみるのも良いかもしれない。


「鉄パイプで補強された階段があります」

 休みながら登って行くと、やがて空が広くなってくる。そこから、少しだけ急な登山道を登り詰めると「乗越浄土(のっこしじょうど)」と呼ばれる場所に着いた。ロープウェイ山頂駅からゆっくりと歩いて、およそ45分と言ったところだ。


「乗越浄土」

 乗越浄土からは正面の中岳が邪魔で、木曽駒ケ岳の山頂は見えない。木曽駒ケ岳・宝剣岳方面は左側なのため、そちらに進んだ。


「宝剣山荘と天狗荘」

 登山道は「宝剣山荘(青い屋根の建物)」の裏側にあり、左手には宝剣岳が聳えている。木曽駒ケ岳は右に行くのだが、その前に宝剣岳に登っておくことにした。


「宝剣岳」

 この宝剣岳は鎖場がある険しい岩山らしい。ただ、事前に調べた情報によると、宝剣山荘からの往復であれば、難しい所はそれほど無いとのこと。危険な登山はしない主義なのだが、短距離なので大丈夫だろう。

*積雪期は極めて危険で、専門の装備とスキルが必要になります。

「鎖場の難易度は低い」

 宝剣山荘から普通の登山道を10分ほど登って行くと鎖場が出て来た。ただ、岩は安定しており、しっかりとした鎖も付いているため、特に何とも思わないレベル。サクサクと登って行った。


「核心部の鎖場」

 やがて、一番の難所と思われる鎖場に着く。上の写真の場所だが、中央部分から下を覗くと深く切れ落ちた谷が見え、少し高度感を感じた。


「谷は深い」

 しかし、特に難しい所は無く、下を見ないで普通に通過する分には高度感も感じないため、難易度はかなり低いと思う。

 間違って落ちると助からない可能性が高いことと、混雑時の譲り合いに気を付ければ、極端な高所恐怖症の人以外は問題無いだろう。


「山頂の岩と木曽駒ケ岳山頂」

 この鎖場を越えるとすぐに山頂になる。山頂には古い木製の社とステンレス製の賽銭箱がおいてある社があるのみで、道標や山頂標識のようなモノは無かった。シンボルの岩の上に登る人もいるけど、もちろん危ない。一般の人は止めておいた方が良いと思う。


「オコジョさんは小さかった」

 遮るものが無いため、宝剣岳山頂からの眺めは最高だった。しばらく景色を眺めていると突然、足元にオコジョが出て来た。始めて見たのだが、想像よりもずっと小さく、20cm位しかなかった。

 目の前を行ったり来たりする小さなオコジョさんはとてつもなく可愛い。私の汚れた心が浄化されたのは言うまでもないだろう。


 

「空木岳方面」

 オコジョさんと絶景を堪能した後は、木曽駒ケ岳に登るために元来た道を戻る。極楽平経由でロープウェイ山頂駅や空木岳方面に縦走することも出来るが、岩場の難易度が格段に上がるらしい。初心者の人は素直に戻った方が良いと思う。


「下り側から見た鎖場」

 登って来た鎖場を戻るのは特に難しく無いものの、人が多い場合には譲り合いが必要となる。人に押されて滑落しないよう、すれ違いには十分に気を付けた方が良さそうだ。


「木曽駒ケ岳と 駒ケ岳頂上山荘」

 宝剣岳から戻り、宝剣山荘の裏を通って木曽駒ケ岳へ。まずは手前の中岳に登り、そこから一旦、駒ケ岳頂上山荘まで下る。

 ここにはテント場があり、テントを持って行けば、1名1,000円(現在は2,000円)でキャンプをすることが出来る。 風通しが良く、強風時は注意した方が良さそうだったものの、ロケーションの良いテント場だった


「まだテントは無かった」

 前回は桂木場から登って、ここでテント泊をするはずだったのだが……寝不足で撤退してしまったのだ。 次こそテント泊で来ようと思いつつ、木曽駒ケ岳へ向かって最後の登りを頑張った。


「木曽駒ケ岳山頂と御嶽山(左)」

 山頂には9時20分に到着。北アルプス、南アルプス、富士山、御嶽山など、名立たる山々を一望することが出来る、素晴らしい展望を誇る山頂だった。この眺めの良さは、中央アルプスならではのものかもしれない。


「中央に富士山」

 山頂の神社で安全祈願をした後は、景色を眺めながら行動食を取って一休み。天気が良く、最高の気分だ。


「まさに雲海」

 休憩後は馬の背を8合目の分岐点まで下る。この日は雲海が綺麗に出ており、雲の上を歩いて行くような気分。まさに、雲上の別天地って感じだった。

 

「馬の背を下る」

 山頂から続く馬の背は、若干の岩場があるものの、特に難しい場所は無い。ごく普通の登山道だ。山頂から景色を眺めながら下って行くと、やがて目的地の一つである、濃ヶ池が見えて来る。


「中央右が濃ヶ池」

 馬の背をさらに下り、濃ヶ池方面の分岐がある8合目に到着。写真を撮りながらゆっくりと歩いて、山頂から1時間10分ほどだった。前回、桂木場ルートを撤退した時は、テント泊装備でここを登ることになっていたのだけど……結構、大変だったかもね。


8合目分岐」

 この分岐から先の登山道は、ハイマツやダケカンバなどの灌木が茂っていて歩きにくい区間があった。ただ、ルートそのものは明瞭なので問題無い。


「濃ヶ池」

 分岐から15分ほどで濃ヶ池に到着。紅葉の時期には、赤や黄色に染まった山肌と青空のコントラストが素晴らしい絶景を堪能できるらしい。この時は残念ながら紅葉にはまだ早かった。


「濃ヶ池付近の登山道」

 少し休憩してから先に進むと、濃ヶ池から登山道に水が流れ出て小川になっていた。注意すれば足を濡らさずに済むレベルだけど、タイミングによっては登山靴でないと靴が濡れるかもしれない。


「山肌をトラバースして行く」

 登山道をひたすら歩いて行くと、黒川の源流の一つに辿り着く。木曽駒ケ岳は良い水口が多いらしく、至る所から水が湧いていた。


「川を渡る」

 ここで渡渉する必要があるものの、水が少ないので特に問題は無い。水量によっては多少、靴が濡れるかもしれないが、まあ、無雪期なら問題無いと思う。


「黒川源流ルート」

 なお、黒川源流を遡行してここまで登ることも出来るようだ。 ただ、伊勢滝と言う滝から先はバリエーション扱いになっているためか、ほとんど歩く人が居ないらしく、かなり荒れているようだ。普通の人は避けた方が良いと思う。

 

「梯子が二つある」

 宝剣山荘に向けて歩いて行くと、2段になっている梯子が出てきた。危険ではないが、疲れていると少し辛い。頑張って登った。


「駒飼ノ池」

 梯子から10分位で駒飼ノ池に到着。池……と言うには水が足りなかったけど、季節によっては水を湛えているのだろう。ここからは、開けた登山道を宝剣山荘までひたすら登るのみだ。


「宝剣山荘まで戻ってきました」

 駒飼ノ池から続く登りを頑張って、何とか宝剣山荘に帰還。思ったよりも疲労が激しかったので、ベンチで少し休んでからロープウェイ乗り場へと戻る。


「休日は大混雑でしょう」

 帰り道、紅葉時期にはまだ早い平日にもかかわらず、千畳敷に下る登山道は混雑していた。紅葉時期の千畳敷カールは凄いことになるんだろうな~と思いつつ、ロープウェイとバスで下界へと戻ったのだった。

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関連サイト

宝剣山荘:https://miyadakankou.co.jp/houkensansou
ホテル千畳敷:https://www.chuo-alps.com/hotel/
中央アルプス駒ヶ岳ロープウェイ:https://www.chuo-alps.com/

まとめ

 ロープウェイを使って、無雪期の木曽駒ケ岳を往復するだけなら、天候が良ければ何も心配する必要はないと思います。基本的には観光地ですからね。

 ただ、宝剣岳に登る場合には注意が必要です。間違って落ちると大変なことになる可能性が高いですね。また、濃ヶ池まで散策する場合には、ある程度の体力と、ちゃんとした登山装備が必要となりますよ。

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