西黒尾根から秋の谷川岳「帰りはロープウェイで安全に♪」

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谷川岳とは?

 谷川岳(たにがわだけ)は、群馬県と新潟県の県境付近にある、標高1,977m(オキの耳)の山。日本百名山・関東百名山・群馬百名山・越後百山の一つ。かつては魔の山と言われ、日本一遭難の多い山として知られていたそうです。

駐車場・アクセス

駐車場:谷川岳ベースプラザ立体駐車場を利用(平日500円、土日祝日1,000円)

アクセス:谷川岳ロープウェイのホームページを参照して下さい。

谷川岳ロープウェイ:http://www.tanigawadake-rw.com/

今回のコース

谷川岳ベースプラザ 標高757m(売店・食堂・トイレ・駐車場)
↓ 10分
西黒尾根登山口 標高800m
↓ 160分
ラクダのコル(岩剛新道分岐) 標高1,493m
↓ 80分
トマの耳 標高1,963m
↓ 10分
オキの耳 標高1,977m
↓ 10分
トマの耳 標高1,963m
↓ 35分
天狗の留まり場 標高1,703m
↓ 30分
熊穴沢避難小屋 標高1,467m
↓ 40分
天神平ロープウェイ乗り場 標高1,317m(売店・食堂・トイレ)

標準コースタイム 6時間15分 距離:7.6km
(ロガー測定値:6時間23分・8.9km)

撮影日時:2017年10月5日

西黒尾根から谷川岳に登ってみた♪

「ロープウェイ山頂駅からの谷川岳」

2017年10月5日、水上インターを降りて谷川岳の登山口である谷川岳ベースプラザの立体駐車場を目指して車を走らせる。普通の登山口と違って道が良いため、運転で気を遣うところは無い。

 午前6時前に駐車場に到着。谷川岳ベースプラザ立体駐車場は時間外でも1Fのみ解放されているので、そのまま入って駐車する*。

* 料金500円は帰りに支払います 。繁忙期の土・日・祝日は時間外の利用が出来ないことがありますので、事前に谷川岳ロープウェイのホームページで確認しておいて下さい。

「谷川岳ベースプラザ立体駐車場1F」

 散策の準備を整え、谷川岳ベースプラザ立体駐車を午前6時7分に出発。今回は「日本3大急登」と言われる西黒尾根を登って山頂に向かい、天神尾根経由でロープウェイを使って下山する、7.6km・6時間15分のコースを行く。

 西黒尾根へは、5分ほどアスファルトの道路を歩いて、まず登山者指導センターへと向かう。ここで登山届*を記入し、下山届を切り離して携帯してから提出。

*登山届・下山届は、谷川岳ベースプラザ等でも出せます

「ここで登山届を提出します」

 登山届提出後は奥のゲート脇を通って登山口へ。一ノ倉沢まで伸びるアスファルトの道路をテクテクと歩いて行くと、途中で西黒尾根の登山口に着く。設置されている道標には、谷川岳まで3.7kmと書かれていた。


「西黒尾根登山口」

 西黒尾根への登山道は、日本三大急登と言うだけあって最初からなかなかハードな角度をしている……。先のことを考え、体力を温存しながら、ゆっくりと登って行く。

 鉄塔の脇を通り、ブナ等の雑木の樹林帯をひたすら登って行くと、登山口から45分程で定番撮影スポットの曲がったブナの木に到着。この時は涼しかったからか、体力はほとんど消耗しなかった。

*夏は暑くて大変だと思います……。

「定番の曲がったブナの木」

 その後もひたすら樹林帯を登って行くことになるのだが、ずっと急な登り一辺倒と言うことは無く、比較的平らな場所もあるため急登感はあまりない。

 土の登山道が、岩の急な登りになってきたなと思う頃、森林限界を超えて周囲の展望が開ける。ここから鎖場のある険しい尾根歩きが始まる。


「最初の鎖場が一番急ですね」

 高所恐怖症な私だが、ココの鎖場は高度感があまりないので特に難しさは感じない。ただ、岩質が蛇紋岩と言う極めて滑りやすい岩なのでそこが怖い。


「登り終えて上からみると、それなりに怖い」

 この日はやや湿りがち位で問題無かったが、濡れた蛇紋岩は急にグリップが抜けることがある。滑落しないよう、油断しないで登った。


「まだ谷に雪渓の名残がありますね」

 鎖場を抜けた先から山頂を見上げるとガスに包まれていた……。上越国境付近の山に登って晴れていたことってほとんど無いな〜。「頼む!晴れてくれ!!」っと思いつつ、周囲の紅葉と景色に励まされながら2番目の鎖場へと進む。


「2番目の鎖場」

 こちらも高度感があまり無いので恐怖を感じることはなかったが、ツルツル度が高いのでスリップには注意したい。雨・霜・雪で濡れてそうな時には、このルートは避けた方が良いと思う。

*濡れると難易度が数段上がります。初めての場合には、雨の日は避けた方が良いでしょう。 


「ここはツルツルです」

 いくつかの鎖場を越えて歩いて行くと、登山者指導センターから2時間5分ほどでラクダの背に着く。撮影しつつ、少し休息を取る。


「ラクダの背」

 ラクダの背から5分程歩いて行くと、岩剛新道との分岐に到着。こちらの方が景色が良いとの話だが、崩壊箇所が多くて危険と書かれていた。


「岩剛新道分岐」

 鎖場を抜けても滑りやすい蛇紋岩混じりの急登地帯は続く。険しい場所も多少あるが、全体的にはそれほど難易度は高くない印象。登りに使う分には特に問題無いと思う。


「黄色のマーキングに沿って登ります」

 落石を落とさないように注意しながら、岩場の急登に息を切らせながら登って行く。最近はトレッキングポールを常に使っているので、無しだと結構キツイのだ。


「見た目よりは易しいです」

 最後(たぶん)の鎖場は隣の岩場を直登したためほとんど使わなかったが、使わなくても問題無い感じだった。

 周囲の景色を楽しみながら進んで行くと、氷河の跡と呼ばれる平らな岩が続く場所にたどり着く。乾いていたので問題無かったけど、濡れていたらかなりヤバイと思う。濡れた下りなんて想像したくもないレベルだ。


「よくネタにされている氷河の跡」

 よくネタにされている氷河の跡は思っていたよりも斜めだった。ここに寝転がって、「落ちる〜」とか写真を撮ると良い思い出になると思う。


「そんなに険しくは見えない……」

 少し進んだザンゲ岩付近から、これまで歩いてきた尾根を見下ろしてみる。すると、思ったよりもなだらかで、鎖場が連続した岩尾根には見えない。でも、初心者が間違って下るとかなり危険なレベルだ。

 ザンゲ岩を過ぎれば登山道はなだらかになる。この日は涼しかったため、日本3大急登「西黒尾根」はそれほど厳しい登りとは思わなかったが、真夏に登ればその真価を味わうことが出来そうだ。


「この日が初雪だったそうです」

 ゆっくりと山頂へ向かって歩いて行くと、木に氷の花が咲いていた。登山道上はほとんど溶けていたが、この日が初雪だったらしい。


「道標も凍ってます」

 これも3段紅葉でOKなのかなと思いつつ、「トマの耳」の山頂に立つ。西黒尾根登山口からゆっくりと歩いて、3時間25分ほどだった。


「続いてオキの耳に行きます」

 風が冷たいのでジャケットを装備してから、谷川岳の山頂である「オキの耳」を目指す。道中は磨かれた蛇紋岩が所々に露出しているので、滑って転ばないように気を付けて歩いて行くと、「トマの耳」から15分程度で到着。


「谷川岳の最高地点であるオキの耳」

 高曇りでイマイチ展望がよろしくないが、それでも遥かに続く稜線の眺めは最高で、いつかまた来たいと思った。次回は白毛門から馬蹄形を縦走する時……かな。


「富士浅間神社 奥の院」

 少し待っていれば青空が出そうな気配もしていたので、オキの耳から数分の所にある奥の院まで足を延ばす。参拝していると、土樽に下るのか、蓬ヒュッテを目指すのか……。幾人かは奥の院を越えて歩いて行った。


「上越国境の稜線が素晴らしい」

 周囲をウロウロしていてもスカッと晴れそうもないため、諦めて天神尾根方面に向かう。ロープウェイを使って登って来られる方達が到着し始めたようで(平日は午前8時始発)、肩の小屋周辺は賑わい始めていた。


「肩の小屋」

 折角なので肩の小屋に立ち寄って、山バッチ500円を購入♪ 「中の写真撮って良いですか?」と聞いたら、OKとのことだったので記念に撮影してきた。


「肩の小屋内部」

 「魔の山なんて誰が言う 味わい深し谷川岳」ですか……。確かに良い山だったなと思いつつ、肩の小屋を後に……はしないで、外のベンチでオニギリ齧りながら晴れないかなと少し待つ。


「谷川岳のシンボル」

 青空が広がって来るようにも見えたが、どうしてもスカッと晴れてくれないので、午前11時7分にロープウェイ乗り場を目指して天神尾根を下って行く。


「天神尾根」

 天神尾根経由で登って来られる方達は皆さん疲労困憊のようで、こちらが立ち止まって待っているのに気が付かない方が結構居た(汗)。繁忙期の土日・祝日は、すれ違い地獄が大変そうだな〜(時間には余裕を持ちましょう)。


「天狗の留まり場下部」

 しかし、天神尾根は楽で安全なコースなのかなと思ったが意外と急で、難しくは無いが鎖・ロープが掛かった岩場も何か所かあった。

 また、蛇紋岩と木の階段&木道のコンボは、濡れていると滑って危険だと思う。お手軽コースと油断しないで、気を付けて下った方が良いだろう。


「熊穴沢避難小屋」

 熊穴沢避難小屋を過ぎると、綺麗なブナ等の雑木林を通る道となる。この日は泥濘が所々にあり、靴が泥水で濡れていると木道が滑って危険なので慎重に歩いて行くと、田尻尾根経由で下山するルートとの分岐に着く。

 今回はロープウェイで下る予定なのだが、ロープウェイを使わずに田尻尾根経由で下ると、2.7km・1時間30分余計に歩くことになる。少し道が荒れ気味とのことなので、疲労していたら素直にロープウェイで下りた方が良いかもしれない。


「ロープウェイ乗り場」

 私は全く疲労していなかったが、下りはダルイので予定通りスルーして天神平へ。紅葉を楽しみながらテクテクと歩き、午後12時30分に無事到着してロガーを停止。8.9km・6時間23分の散策だった。

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まとめ

 日本3大急登と呼ばれる「西黒尾根」から登ってみましたが、涼しかったせいか思ったほどキツく感じませんでした。心配していた鎖場も、岩が乾いていれば大丈夫なレベルでしたね(雨だと高難易度です)。

 森林限界を越えれば展望が大きく開け、とても素晴らしいコースでしたよ。ただ、標高差が1,200mほどあり、鎖場や滑りやすい岩場が連続しますので、一定以上の体力と経験は必要かもしれません。十分に気を付けてお楽しみくださいませ。