夏の燕岳「中房温泉から日帰りで♪」

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燕岳とは?

燕岳(つばくろだけ)は、長野県大町市~安曇野市にある、標高2,763mの常念山脈に連なる山。日本二百名山、信州百名山の一つ。中房温泉から槍ヶ岳へと続く、表銀座縦走路のスタート地点にあり、その美しい山容から北アルプスの女王とも呼ばれています。

駐車場・アクセス

駐車場:中房温泉付近にある無料の駐車場(第一〜第三)を利用。シーズン中の土日祝日は混雑することで有名ですので、バスやタクシーの利用も考えておいた方が良いと思われます。なお、中房温泉に至る、一般県道槍ヶ岳矢村線(通称:中房線)は、12月初旬~から4月下旬まで冬季閉鎖となりますのでご注意下さい(詳しくは長野県道路情報をご覧下さい)。

アクセス:マイカーでのアクセスは、Googleマップ大先生に聞いて下さい。公共交通機関をご利用の場合には、穂高駅から定期バスに乗ります。また、直通バスも多数運行されていますね。詳しくは、燕山荘のホームページ(交通アクセス)をご覧下さい。

燕山荘:https://www.enzanso.co.jp/
通行規制情報:https://www.pref.nagano.lg.jp/azumiken/doro/doro.html
南安タクシー(定期バス・タクシー):https://nan-an.co.jp/

今回のコース

燕岳登山口 標高1,453m(トイレ・温泉)
↓ 90分 ↑60分
第二ベンチ 標高1,839m
↓ 80分 ↑60
合戦小屋 標高2,394m(売店・トイレ)
↓ 90分 ↑50分
燕山荘 標高2,696m(売店・トイレ・宿泊)
↓ 30分 ↑25分
燕岳 標高2,704m

標準コースタイム 8時間5分 距離:9.2km
(ロガー測定値:8時間45分・10.3km)

撮影日時:2018年8月22日

燕岳を日帰りで登ってみた♪

「燕岳と言えばイルカ岩」

 2018年8月22日、登山口の中房温泉に向けて車を走らせる。ココの道は、人気の山とは思えないほど細くて、すれ違いに困るほど狭い部分が多い。全面舗装なだけましかなと思いながら車を走らせていると、路肩にカモシカが居た。

 最近は野生動物が多くなっている。注意しながら運転して、午前4時を過ぎた位に第一駐車場に到着。お盆明けの平日だからか、人気の燕岳とは思えないほど空いていた(5割位)。まだ暗かったけど、準備を整え、4時半過ぎに出発。

*シーズン中の土日祝日は非常に混雑するため、駐車場に止められない可能性があります。

「トイレは水洗で綺麗です」

 舗装路をゆっくりと登り、駐車場から5分程で登山口の中房温泉に到着。登山届を提出しようと思ったのだが、用紙が全くなかった……。シーズン中は登山届を記入する場所も混雑するため、事前に電子申請するか、自宅で登山届を記入(ヤマケイとかヤマレコのサイトでも作成できます)してきた方が良いかもしれない。

 登山道の脇にあるトイレに寄ってから、薄暗い登山道をひたすら登って行く。まだ暗いからか、人はほとんど居ない。合戦尾根とは思えないほど静かだ。

 ヘッドライトの灯りを頼りにゆっくりと登って行くと、登山口から30分ほどで第一ベンチに到着。すでに疲労困憊だ……。


「第一ベンチ」

 ベンチに座って休みながら、もう帰ろうかなと思ったけど、交通費を考えると簡単には帰れない。十分に休憩を取ってから、頑張って第二ベンチを目指して登る。

 アルプス三大急登と呼ばれる合戦尾根だけど、見た目は一般的な登山道だ。樹林帯の中に続く土の登山道がメインで、多少の段差はあるものの、危険な場所は少ない。コースタイムもかなり甘く、毎週のように登っている人なら余裕で登れると思う。

 しかし、月に一回位しか登山をしていない人には辛いかもしれない……いや、辛い。少なくとも、私には辛かった。ストックに縋りながら、何とか登って行く。


「第二ベンチ」

 第一ベンチから、およそ30分で第二ベンチに到着。各ベンチ間は、のんびりと歩いて30分位で着くように設定されているようだ。とにかく調子が悪いので、横たわるようにして休憩を取った。

 夏は何処も似たようなものだが、合戦尾根は樹林帯のため風通しが悪く、暑い日だとかなり辛い。ゆっくりと歩いていても、絞れるくらいに汗をかく。水分補給は定期的にしたいものだ。


「第三ベンチ」

 ノーマルゾンビのようにゆっくりと登り、第二ベンチから第三ベンチまで43分程掛かって到着。第二ベンチでの休憩時間を含んだ時間ではあるが、もう瀕死の状態であった。燃え尽きたボクサーのように、下を向いて休憩を取る。


「富士見ベンチ」

 第三ベンチから四番目の富士見ベンチ間も似たような状態で進み、休憩込み40分で到着。富士見と言うだけあって、条件の良い時は富士山が見える。この日も見えていたが、何故かピンボケ写真しか撮れていなかった……。


「合戦小屋」

 合戦小屋が近くなると、少しだけ元気が出て来る。ゆっくりと進み、午前7時半に合戦小屋に到着。富士見ベンチから、かなりゆっくりと歩いて、およそ30分だった。取り敢えず、ココの名物であるスイカ(1カット800円/当時)を購入して、食べながら休憩を取った。


「夏の合戦小屋と言えばスイカ」

 スイカは食べやすいようにカットして貰うことも出来る。かぶりつくと口の周りが汚れるので、カットして貰った方が良いかもしれない。

 スイカを食べ、十分な休憩を取った後、トイレに寄ってから出かけようと思ったら、トイレが綺麗なバイオトイレになっていた(100円/当時)。バイオトイレ特有の臭いはあるが、トイレが綺麗なのは良いと思う。  


「合戦沢の頭」

 合戦小屋から登山道をゆっくりと登って行くと、やがて視界が開けてくる。遠くに槍ヶ岳や燕山荘が見えるようになり、テンションが上がる。しかし、私の脚は一向に上がらない。引き摺る様にして燕山荘を目指した。


「燕山荘を見ながら、尾根をのんびりと歩く」

 尾根道だが、風通しはあまり良くないようで暑い。この日は日差しも強く、体力の消耗は早かった。適度に立ち止まって休みながら進むと、やがて鎖場が出てくる。


「唯一の鎖場。大したことは無い」

 ここの鎖場の鎖は、通常のコンディションなら使うことは無いだろうと思われるが、疲労状態なので慎重に通過。あとは、燕山荘までひたすら歩くのみだ。


「槍ヶ岳が綺麗に見えていました」

 テント場を過ぎると、西側の視界が一気に開け、同時に冷たい風が吹き抜ける。槍ヶ岳や黒部の山々など、名だたる名峰を一望出来るこの景色……。初めて見た時は、本当に感動したのを覚えている。

 まあ、あの時はテント泊装備だったので、より感動があったのだと思うが……それでも、最高の景色には違いなかった。


「燕山荘」

 一頻り景色を眺めた後は、取り敢えず燕山荘のベンチに座って一休み。ここまで、登山口から4時間15分だった。

 自分でもありえないほどゆっくりと歩き、スイカを食べたり、ベンチでたっぷり休んだりしても、大体コースタイムの範囲に収まる。燕山荘までの区間だけなら、コースタイムをオーバーする人はあまり居ないと思う。


「燕岳は綺麗な山です」

 十分に休んだ後は、燕岳を目指して歩いて行く。景色も良いし、風も気持ち良く、登山道の状態も良いのだが、全然足が進まない。この年の夏は猛暑で運動をほとんどしなかったから、かなり鈍っているようだ。


「メガネ岩」

 時期的に終了気味だったコマクサや、イルカ岩、メガネ岩などの燕岳名物を見物しながら、30分位掛かって山頂に到着。山頂付近は岩場になっているが、滑りにくい花崗岩なので危険はほぼ無い。


「燕岳山頂」

 山頂の標識にタッチしたあとは、少し下った所で、長く続いている縦走路を見ながらお昼ご飯を食べる。しかし、今の私だと、あの縦走路をテント泊装備で行くのは無理そう。相当、鍛えないと駄目だ……。  


「表銀座の縦走路」

 良い景色を楽しんだあとは、燕山荘で350円(当時)のお茶を買ってから下山を開始。テント場には、少しずつテントが立ち始めていた。ここのテント場は広くは無いが、展望の良い素晴らしいテント場である。燕山荘の管理が良いので、テント泊デビューにも良いと思う。

*私はここでテント泊デビューをしました。

「懐かしき燕岳のテント場」

 各ベンチで休みながらゆっくりと下り、午後1時半位に登山口に到着。10.3㎞/8時間45分の、のんびりとした散策だった。いや〜疲れた。


「中房温泉に日帰り施設である湯原の湯」

 下山後は、登山口にある湯原の湯で日帰り入浴(700円/当時)。この日は清掃状態がイマイチかなと思ったけど、登山後の温泉は気持ちが良い。ゆっくりと浸かったあとは、家までロングドライブを楽しんだのだった。

関連サイト

燕山荘:https://www.enzanso.co.jp/
中房温泉:https://nakabusa.com/
通行規制情報:https://www.pref.nagano.lg.jp/azumiken/doro/doro.html
南安タクシー(定期バス・タクシー):https://nan-an.co.jp/

まとめ

 超人気の燕岳ですが、ビックリするほど人に会いませんでした。休日は駐車すら難しいと聞きますが、やはり平日は空いてますね。標高差が1,200m以上ありますので、油断しない様に登って下さい。わりと疲れます(疲労でレスキューを呼んだ人も居るとか……)。