秋の安達太良山「あだたら高原スキー場から、ほんとの空がある山頂へ」

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安達太良山とは?

 安達太良山(あだたらやま)は、 福島県二本松市、安達郡大玉村、郡山市と耶麻郡猪苗代町の境界付近に位置する、標高1699.9mの火山。日本百名山、花の百名山、東北百名山、会津百名山、うつくしま百名山等の一つ。

 ロープウェイを使えばお手軽に散策できるため、人気の観光地として知られている。今回はロープウェイを使わず、駐車場から歩いて登ってみることにした。

安達太良山に登ってみた♪

「安達太良山奥岳登山口」

 2018年10月18日、午前7時過ぎに「あだたら高原スキー場」の駐車場に到着。群馬からだと、福島県は意外と遠い。完全日帰りするには、この辺りが限界だなと思いつつ、散策に向けて装備を準備した。

 なお、二本松インターからナビ通りに進むとコンビニが無い。コンビニによる予定がある場合には、二本松インター付近で立ち寄っておいた方が良いだろう。


「あだたら山ロープウェイ」  

 あだたら山ロープウェイ内にあるトイレは時間外でも使える。念のため立ち寄ってから、午前7時25分にロガーを設定して登山口に向かった。

 駐車場から歩いて登ると、ロープウェイ山頂駅からのルートと合流する、薬師岳展望台まではコースタイムで1時間20分掛かる。ロープウェイに乗れば15分で到着するため、体力の無い人はロープウェイを使うのも良いと思う。

*ロープウェイは営業期間があります。詳しくは、あだたら高原リゾートのHPで確認して下さい  


「途中までは車が通れる未舗装路を行きます」

 日帰り温泉施設の「奥岳の湯」方面へと進み、しばらく林道を歩いて行くと「くろがね小屋」方面と、「安達太良山・薬師岳・五葉松平経由」のルートの分岐に着く。

 私は「安達太良山・薬師岳・五葉松平経由」方面に向かうのでそちらへ歩いて行くと、登山道はスキー場の中を通るルートになる。この周辺には道標が無いので、初めてだと分かり難いかもしれない。

*紙の地図意外に、電波が無くても使える、スマホの登山用地図も使いましょう。


「ゴールドラインリフト付近」  

 ゲレンデを歩いていると、岳温泉の管理組合の車がゲレンデを登って行く。ちゃんとした4WDは素晴らしいと思いながら登って行くと、ゲレンデから登山道に入る道標がある場所に着いた。


「登山道は右側の茂みの中に続いている」

 道標に沿って右側の茂みに入ると、粘土質の滑りやすい道になる。ここは、ゲレンデをそのまま登っても後で合流するみたいで、無理に登山道に入る必要は無いように感じた。


「ゴールドラインリフト終点」

 ひたすら歩いて行くと、登山口から40分ほどでゴールドラインリフトの終点に辿り着いた。冬にリフトを使って五葉松平経由で登る場合には、ここから歩くことになるらしい。左脇に登山道が続いているので、その通りに進んだ。


「最初は木段になっている」

 この辺りから傾斜がやや急になり、登山道らしくなってくる。草が多少煩いが、整備状況は悪くなく、危険度も低い。疲れない様にゆっくり登っていると、背後から機動音が聞こえて来た。どうやら、ロープウェイが動き始めたらしい。


「ロープウェイならとても楽です」  

 振り向くと、ガスの中をロープウェイが山頂に向かって動いていた。出発を1時間待って、やっぱりアレに乗れば良かったなと思いながら登山道を頑張って登っていくと、やがて五葉松平に到着。  


「五葉松平」  

 この時に丁度、ガスが切れて、「安達太良山の乳首」とも評される、溶岩ドーム状の山頂が見えた。あそこまでは、コースタイムで1時間30分ほど掛かる。継続して、ゆっくりと山頂を目指して歩いた。


「薬師岳」

 薬師岳山頂には、午前8時44分に到着。あだたら山ロープウェイの山麓駅から、およそ1時間20分掛かったことになるので、丁度コースタイム位だ。


「ほんとの空まであと少し……」  

 ここでロープウェイで登って来られた方が合流して、周辺は一気に賑やかになった。休憩を取りながら周囲の展望を楽しもうとしたが、ガスが酷くて何も見えない……。

 仕方なく先に進むと、高村光太郎の智恵子抄で有名な「ほんとの空」の碑があった。上を見たが……残念ながら、ここでは「ほんとの空」は見ることは出来なかった。


「すでに紅葉は終わっていた」

 薬師岳からは平坦な木道や土の登山道がしばらく続く。ロープウェイ山頂駅からなら、よほど体力が無い人以外は楽勝だろう。

 ガスが切れると青空が広がり、山肌が良く見える。もう少し早い時期であれば紅葉が綺麗だったのだろうなと思いながら、山頂までの道を進んだ。

*紅葉を見るなら、10月初旬が良いと思います。


「安達太良山の溶岩ドーム」  

 山頂には午前9時52分に到着。駐車場からゆっくりと歩いて2時間半と言った所だが、運動不足が祟って結構疲れてしまった。


「行きは梯子を登りました」

 少し休んだあと、荷物を置いて山頂に向かう。山頂へは二通りのルートがあり、左が梯子、右が鎖場になっていた。どちらもレベルは低いので、普通の運動神経があれば問題無く登れるだろう。


「安達太良山山頂」

 山頂には石碑と安達太良山のプレート、二等三角点などがある。取り敢えず三角点に触ってから、山頂からの展望を楽しんだ。


「雲海に浮かぶ磐梯山」  

 この日は雲が多めだったが、磐梯山や吾妻連峰などが良く見えた。なかなかの絶景だが、私がこの山に来た目的は展望ではない。しばし眺めてから、山頂を下りた。


「山頂直下の鎖場」  

 帰りは鎖場を下りる。あえて鎖を使うレベルではないが、錆び錆びで強度が少し心配になった。あまり頼りにしない方が良いだろう。


「鉄山方面へは、牛の背、馬の背を歩いて行く」  

 荷物を回収して鉄山方面へと向かうと、やがて火口である「沼ノ平」を俯瞰できる場所に着いた。安達太良山は活火山なので突然、噴火する可能性もある。

 ここに出掛ける前には、火山情報をよく確認する必要があるだろう。もし噴火に遭遇してしまった場合には……潔く諦めることも必要かもしれない。  


「沼ノ平」

 この沼ノ平を下った場所には硫黄泉が自然湧出していて、沼尻温泉の源泉となっている。好きな人は源泉が川と交わった場所で入浴を楽しむらしいが……私はにわか温泉好きなので、野天湯は好きではないのだ。

*無風だと危険です。


「奥に見える岩の上が鉄山山頂」

 沼尻温泉には別の機会に行こうと思いながら歩いて、午前11時50分位に鉄山山頂に到着。この山は険しい岩山に見えるが、左側から迂回するように登山道があり、ルート上に危険な場所はとくに無い。


「鉄山から安達太良山山頂を望む」  

 安達太良山の山頂とは逆方向には鉄山避難小屋が見える。どこの避難小屋にも泊まるのは嫌だなと思いつつ、ほんの少しだけ休憩してから、三角点を触って下山を開始。


「鉄山避難小屋」

 馬の背からは、これから向かう「くろがね小屋」が見えた。昔は馬の背から直接下るルートがあったらしいが、火山ガスのため現在は通行止めとなっている。


「くろがね小屋と岳温泉の源泉」  

 来た道を戻り、牛の背の分岐から「くろがね小屋」に向かう。途中で分岐はあるものの、よく整備されているのでスリップ以外の危険は無い。サクサクと下れた。


「くろがね小屋」  

 分岐から30分ほどで「くろがね小屋」に到着。早く温泉に入ろうと思ったのでコースタイムより若干早かった。早速、受付で入浴料を支払って温泉へ。

 「くろがね小屋」には沢山の登山者が居たが、温泉に入っている人は皆無だった。なお、この山小屋は改築が予定されているらしい。温泉目当てで行く場合にはホームページ等で下調べしておいた方が良いだろう。


「駐車場まで、広い林道歩きです」

 のんびりと温泉を楽しみ、昼食を取ってから下山を開始。以降は源泉管理用の広い林道で、特に危険の無い道だ。分岐が何か所かあるが、車が通れる道を行けば、ロープウェイ乗り場まで戻ることが出来る。


「旧道分岐」

 勢至平を過ぎると、林道をショートカットする旧道が何か所かある。旧道を通ると早く下山することが出来るが、濡れていると粘土質の地面が滑りやすい。雨の日などは、林道をそのまま進んだ方が汚れなくて良いと思う。


「あだたら渓谷自然遊歩道」

 帰りは「あだたら渓谷 自然遊歩道」方面に進んだ。意外と滑りやすい道だったので、雨の日は、転ばない様に気を付けた方が良いだろう。


「駐車場に到着」  

 渓谷に色付く木々を見ながら下り、駐車場には午後1時40分頃に到着。13km・6時間12分の散策だった。

秋の安達太良山の感想

 岳温泉の源泉に入れる「くろがね小屋」目当てで安達太良山に行って来ました。標高は1700mと大したことはありませんが、なかなか良い山ですね。

 山頂付近の紅葉は、10月初旬にはピークを迎えるようです。山頂付近の紅葉を見に行く場合には、早めに行った方が良いかもしれません。

今回のコース

奥岳登山口 標高947m(ロープウェイ・食堂・トイレ・温泉)
↓ 80分
薬師岳展望台 標高1,347m
↓ 75分
安達太良山 標高1,680m
↓ 5分
乳首 標高1,699m
↓ 50分
鉄山 標高1,704m
↓ 73分
くろがね小屋 標高1,347m(山小屋・トイレ・温泉)
↓108分
奥岳登山口 標高947m(ロープウェイ・食堂・トイレ・温泉)

標準コースタイム 6時間31分 距離:12.3km
(ロガー測定値:6時間12分・13km)

撮影日時:2018年10月18日

駐車場「あだたら高原駐車場を利用」