青木鉱泉から鳳凰三山をテント泊で縦走「ドンドコ沢ルート~中道ルートで周回♪」

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鳳凰三山とは?

 鳳凰三山(ほうおうさんざん)は山梨県の南アルプス北東部にある、地蔵岳・観音岳・薬師岳の3つの峰の総称(最高峰:観音岳2,841m)。日本百名山・山梨百名山の一つ。奥深い南アルプスの中では比較的易しく、南アルプス入門者向けの山……らしい。

鳳凰三山に登ってみた♪

「素晴らしい景色!」

 2017年7月20日、登山口の青木鉱泉に通じる道を行く。最初は狭く、舗装されていない区間や荒れている場所があって、運転には注意が必要だと感じた。しかし、少し走るとアスファルト舗装のしっかりとした道になって運転がしやすくなる。

 順調に車を走らせ、青木鉱泉には午前4時半過ぎに到着。平日だからか、駐車場にはかなり空きがあったのでなるべく近い場所に車を止めた。

 今回は青木鉱泉(標高1,090m)よりドンドコ沢ルートで登り、鳳凰小屋(標高2,400m)でテント泊。地蔵岳・観音岳・薬師岳の3山を縦走して中道ルートから青木鉱泉に戻る計画である。


「青木鉱泉の建物」

 まずは駐車場の料金を払おうと思って青木鉱泉に行ってみたが、まだ早いようで誰も居なかった。帰りに支払おうと思い、屋外にあるトイレによって車に戻る。なお、建物前に自動販売機が設置されていた。

 登山の装備をチェック後、午前5時に山旅ロガーをセットして青木鉱泉の建物に歩いて行くと、先程は居なかった青木鉱泉の従業員さんが居たので、2日分の駐車料金1,500円を支払う(1日750円)。

 車に駐車券を置いてきてくれと言うことだったので一旦、車まで戻って駐車券を置いてから改めて出発する。

  10分位歩いて行くと、工事中のため迂回してくださいと言う看板に到着。自動再生の音声で丁寧に説明してくれる(この記事は2017年7月のものです)。

 迂回路に掛かる仮設の橋を渡り、本来の登山道に合流。樹林帯の中を行く登山道は、たまに道が錯綜していたり、獣道と合流するものもあるが、赤ペンキやピンクリボンのマーキングがしてあるので比較的明瞭でわかりやすいと思う。


「ロープの掛かった崩壊地」

 南アルプスの入門的な山とのことだが、滑落すると危険な場所や、登山道が侵食されていて崩れそうな所も適度にあるので慎重に先に進んで行く。

 それにしても暑い……。気温はそれほど高くないものの、樹林帯で風が通らず、湿度も高いので汗が滴り落ちる勢いだ。服はもちろん、ザックまでビショビショになり、徐々に体力が奪われていく。 


「小さな沢を何度も渡ります」

 沢をいくつか渡り、登山口から2時間程で最初の滝である「南精進ヶ滝」との分岐に到着。ここは滝を経由しながら先に進めるので、もちろん滝の方に進む。

 南精進ヶ滝展望台の前後はロープの掛かった急な岩場となっていた。特に難しい場所では無いが、気を付けて進んで行くと、滝を遠望するテラスに到着。


「南精進ヶ滝」

 滝を見ながらしばし休憩を取り、次の「鳳凰ノ滝」を目指して登って行くと突如、ブ〜ンっと言う羽音が……。ザックにバシバシ攻撃してくるので、スズメバチカラーのアブかと思ったらなんと本物(汗)。

 単体だと周囲を旋回する位で普通は攻撃してこないのだが、頭やザックなど黒い部分に執拗にアタックしてくる。

*この時は黒いザックでした。スズメバチの危険がある所では、避けた方が良いかもしれません。

 走って登山道を逃げてもついてくるので、ザックを下して首筋をガードして伏せたらどこかに飛んで行ってくれた……。幸い刺されなかったが、この一件でかなり疲労してしまった。ヤレヤレである。


「この道標を見逃したんですよ……」

 下だけ見て走って逃げたからか、鳳凰ノ滝と鳳凰小屋方面との分岐を通過して上に行ってしまい、軽く迷子状態に……。

 この辺り、迷う人が多いのか道が錯綜しており、上に登る獣道みたいなところに登って、明らかに違うな〜と思いつつ戻ったりをしばらく繰り返してたら、先に鳳凰ノ滝に行った人達が下を通過して行った……。


「鳳凰ノ滝」

 登山道の倒木が放置状態なので迷いやすいのかもしれない。倒木を跨いで、無事に元の登山道に合流。「鳳凰ノ滝」は他の滝と違ってルートから外れるが、折角なので見学に行く。

 やや荒れ気味の道をしばし進んで行くと、やがて滝に到着。羽を広げた鳳凰に見えなくもないかもと思いつつ、しばらく眺めていると、やがて滝はガスに包まれてしまった。

 鳳凰ノ滝から元の登山道に戻り、間違えた分岐を鳳凰小屋方面へと進む。崩壊地を高巻するようにつけられた登山道を進み、急登を休み休み登って「白糸滝」へ。この時点でもうバテバテだ……。


「白糸滝」

 休みがてら滝をボーっと眺めていたら、先程同様にガスに包まれ、やがて見えなくなってしまった。

 次の「五色滝」に向けて歩いて行くが、完全にバテてしまって、数メートル進んでハアハアと休むような状態……。

「五色滝」は一旦、登山道を外れるものの、滝で元の登山道に合流できるので、かなりの疲労状態ではあるが頑張って見に行く。


「五色滝」

 沢沿いにつけられた登山道を進んで行くと、やがて「五色滝」に到着。ここは滝壺付近まで下りられるので行ってみる。

 心地よい風と水滴がシャワーのように降り注いで気持ち良い。条件が良いと虹が見えることもあるそうだが、残念ながらこの時は見れなかった。


「オベリスクが見えてきました」

 滝の脇にある道を登って登山道に合流。ストックに縋りながらしばし進むと、やがて地蔵岳のオベリスクが見えてきた。ここまで来れば鳳凰小屋まではあと少し……。気力を振り絞って進み、午前11時35分に鳳凰小屋に到着した。


「鳳凰小屋」

 ヘロヘロ状態で到着して、まずは一休みしたいところであったが、小屋番さんがお泊りですか〜と訪ねてきたのでテントですと言って受付を開始。ちょっと休ませて〜と思いつつも、テントの受付と説明を受けてからテント場に行く。


「鳳凰小屋のテント場(30張り程度)」

 平日だからか、テント場には一張りも無い状態。木陰になっている場所にテントを張り、中に入って休む。木陰なので、通気性の悪いステラリッジでもメッシュにしておけば涼しい。なお、地面は柔らかい土でペグは良く効く。

*規則で石が使えません。テント泊の場合には、必ずペグを持参して下さい。


「別荘を設置。ペグ必須!石は使えません。」

 本来は山頂を往復しようと思っていたのだが、中で寝転がっていたら、もはやどうでもよくなってしまった。山頂にはガスが掛かってそうだし、この日はこのまま寝てしまうことにしよう。明日晴れれば良いな〜と思いつつ……。

青木鉱泉から鳳凰三山……2日目

 午前2時頃、ゴ〜っと言う風の音で目が覚めた。鳳凰小屋のテント場は樹林帯にあるためほとんど風の影響を受けないが、上空はかなり風が強いようだ。トイレのためテントから出てみると、一面の星空……今日は良い天気になりそうだ。

 テントに戻って寝なおして、午前3時半位に起きて荷物の整理を開始。午前4時過ぎにチタンアルコールストーブでお湯を沸かして朝飯にする。


「カレーメシを食べました」

 チタンアルコールストーブは癖があるので万能ではないけど、条件の良い時ならありかもしれない。まあ、2泊以上のテント泊や、稜線のテント場のように風が強い場所に行く時は絶対にガスにした方が良いなと思いつつカレーメシを食べる。

 朝食後は、水の補給とトイレを済ませてからテントの撤収作業を開始。今回は風があったからかフライシートの結露が全く無く、テントの撤収作業は簡単に終わりそうだ。


「南アルプスの天然水は美味いです!」

 取りあえず、テントにくっ付いたテントウムシの幼虫みたいなのを落としてから撤収作業を開始する。このテント場は、うるさい虫が少なくて良かった。

 テントがほとんど濡れてないので撤収作業はスムーズに進み、午前5時15分頃に地蔵岳に向けて出発。食糧が無くなった分、ザックが軽くなっているはずだが、来た時よりもパンパン&重い。何故なんだろう?……っと思いつつ、急登を登って行く。

 樹林帯を30分ほど登って行くと、周囲の木が無くなり、蟻地獄のような……と例えられる砂場が広がって来る


「まさに蟻地獄の巣」

  砂に足を取られつつ、ゆっくりと歩いて登って行く。山頂まであと少しの時点で立ち止まり、ふと後ろを見ると、雲海に浮かぶ富士山を見ることが出来た。テンションがアップする瞬間だ。

 鳳凰小屋からおよそ1時間で地蔵岳に到着。オベリスクの脇を通って展望台に行くと、甲斐駒ケ岳や仙丈ケ岳が綺麗に見えた。山頂付近は風が強く時折、砂が宙に舞う。


「雲海に浮かぶ甲斐駒ケ岳」


 オベリスクには登らない登れないので、観音岳方面に向かう。基本的にルートは明瞭なのだが、崖側に撮影の為に下りたと思われる足跡が付いているので、間違って下りないように注意が必要だと思った。


「白砂の上に子授け地蔵が沢山あります」

 赤抜沢ノ頭に登ると、北岳・間ノ岳・農鳥岳の白峰三山が見えてくる。途中ですれ違った単独の方と「北岳良いね〜!行きたいね〜!!」っと話をしたりしながら歩いて行く。


「北岳方面。行きたいです」

 地蔵岳からアップダウンを繰り返して観音岳に向かうわけなのだが、この最高の景色である。ほとんど疲労を感じることはない。ただ、立ち止まり過ぎてコースタイムはオーバーしてしまう(笑)。

 地蔵岳付近は風が強かったが、観音岳に近づくにつれ風はほとんど無くなり、最高の稜線散歩を楽しむ♪ 本当に来て良かった。


「タカネビランジが咲いていました」

 タカネビランジ等の高山植物もこの山のたのしみなところ。ゆっくりと花や景色を堪能しながら歩き、午前7時52分に観音岳に到着。鳳凰小屋から2時間38分ほど掛かった。


「鳳凰三山の最高峰に到着です」

 観音岳が鳳凰三山の最高峰になるが、この山域には日本百名山の道標は無いようだ。代わりに、山梨百名山の道標と古びた山名盤があるのみ。

 岩を登って観音岳の山頂に立つ。遮るもののない、360度の大展望は感動もので、しばし景色を楽しみながら休憩をとる。


「薬師岳方面。富士山を見ながら散策できます」

 もうしばらくここに居たいような気もしたが、先も長いので、午前8時に薬師岳方面に向けて歩き始める。鳳凰山にしかないと言われる「ホウオウシャジン」が咲いてないかと探したが、細長い葉しか見つからなかった。

*薬師岳付近に咲く「ホウオウシャジン」は8月に咲くようです。


「薬師岳の道標」

 絶景を楽しみながら歩いて行くと、30分ほどで薬師岳に到着。周辺に白い砂が広がる稜線は、とても美しい所だと思った。

 さて……。下りたくないな〜なんて思ったりするが、そう言う訳にはいかないので、中道ルートから青木鉱泉に向けて下山を開始する。

 この中道ルート、樹林帯の急な下りが嫌になるほど続く……。下りても下りても雰囲気があまり変わらず、どこまで続くんだと思うと気が滅入るルートだ。


「唯一の見所の御座石」

 唯一の見所の「御座石」を過ぎたら本当に何もなく、いくら森が好きだと言っても、これは厳しい……。個人的に一番、嫌だったのが鳳凰三山入口と書かれた古い林道跡からの最後の下りで、無限に続くような下りは絶望ものだった。

 頑張って下り、青木鉱泉へと続く林道と合流。渓流沿いの道なので、川を見ながら頑張って歩くが、疲れているのでこの林道区間も結構辛い……。


「駐車場に無事到着」

 しかも、この時は青木鉱泉へのショートカットが増水のため通れず……。迂回しろと言うことで、さらに林道を歩いて、12時頃に青木鉱泉に戻ったのだった。

青木鉱泉から鳳凰三山 の感想

 雲取山以来、およそ2ヶ月ぶりの登山&テント泊(MAX11kg)と言うこともあるかもしれませんが、思っていたよりもハードでした。去年の燕岳テント泊同様、完全にバテバテでしたね〜。急登に弱すぎです(汗)。

 また、危険個所は特に無いとされていますが、登山道が崩壊しそうな場所や、滑落するとヤバいんじゃないかな〜と言う場所がありますね。大雨の後は危険かもしれません。

 あと、スズメバチは山行中で4匹ほど遭遇しました。単独行動をしている奴は普通、じっとしてればどこかに飛んで行きますが、例外も居るんですね。対策は無いので、刺されないことを祈りましょう!

 2日目の鳳凰三山縦走は本当に良かったです。危険個所もほとんどなく、絶景の稜線散策を楽しむことが出来ました。天気が良い日は最高ですね!

 しかし、帰りの中道ルートは特に見所が無いので退屈です。特に林道に出る前の区間は景色がほとんど変わらず嫌になっちゃいました。ここをピストンする人は凄いなと思いました。

 あと、今回の青木鉱泉からドンドコ沢ルート〜山頂〜中道ルートを通って青木鉱泉に戻る周回ルートは、日帰り登山もよく行われてますが、コースタイムで13時間と長く、標高差もそれなりにあるのでキツイと思います。日帰り可能なのは、十分な体力のある人のみです。

今回のコース

1日目
青木鉱泉駐車場 標高1,101m(トイレ・自動販売機あり)
↓ 150分
南精進ヶ滝 標高1,539m
↓150分
五色滝 標高2,170m
↓60分
鳳凰小屋 標高2,381m(トイレ・売店あり・携帯)
標準コースタイム(滝に立ち寄ると時間・距離がプラスされます)
登り 6時間00分  距離:5.0km
(ロガー測定値:7.7km・6時間35分)

2日目
鳳凰小屋  標高2,381m (トイレ・売店あり)
↓ 90分
赤抜沢ノ頭  標高2,743m
↓ 70分
観音岳  標高2,840m
↓ 30分
薬師岳  標高2,772m
↓200分
標識(登山道終点)
↓ 35分
青木鉱泉  標高1,101m (トイレ・自販機・日帰り入浴:1,000円)
標準コースタイム 7時間5分  距離:10.1km
(ロガー測定値:10.8km・6時間49分36秒)

撮影日時:2017年7月20~21日

 駐車場「青木鉱泉の駐車場を利用(有料:1日750円)」