3月の四阿山「あずまや温泉から残雪期の四阿山を散策♪」

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四阿山とは?

 四阿山(あずまやさん)は、長野県と群馬県の県境付近にある、標高2,354mの火山。日本百名山・群馬百名山・信州百名山の一つ。旧あずまや温泉からのルートは、冬季でも登りやすいと言われています。

 難易度的には、雪山登山初級~中級者向けとなります。滑落・凍傷・低体温症のリスクがありますのでご注意下さい。積雪期に登山をする場合には、一般的な雪山登山の装備が必要です。スノーシューハイキングにも向いていますよ。

*悪天候での雪山登山は大変危険です。

・アイゼン(クランポン)チェーンスパイク~12本爪
・ピッケル(アックス)通常は不要
・ハードシェル推奨
・冬山用登山靴推奨
・スノーシュー(ワカン)推奨(降雪直後は必要)

駐車場・アクセス

駐車場:旧あずまや高原ホテル近くの登山者用無料駐車場を利用。カーナビで検索する場合には「平塚らいてうの家」(長野県上田市)と入力すると良いです。

アクセス:マイカー利用が一般的です。上田菅平ICから車で35分ほど。道中は除雪されていますが、冬季はスタッドレスタイヤが必要です。

今回のコース

旧あずまや温泉 標高1,452m
↓190分  ↑120分
小四阿・中四阿方面との分岐 標高2,212m
↓35分   ↑25分
四阿山  標高2,354m

標準コースタイム 6時間10分 距離:10.5km
(ロガー測定値:5時間44分・11.1km)
*雪の状態によって、時間や難易度が変わります。

残雪期の四阿山に登ってみた♪

「展望は最高です♪」

 2020年3月9日、冬季四阿山の登山口としては最も有名な「あずまや温泉」にある登山者用無料駐車場を目指した。道路は完全舗装で道幅も十分広く、勾配もキツくないため運転に支障は無い。


「あずまや温泉(閉館)の登山者用駐車場」

 駐車場がある「あずまや温泉 あずまや高原ホテル」が冬季も営業(2020年5月に閉館)しているため、厳冬期でもFFで問題は無さそうだなと思いつつ車を運転して、午前6時頃に無事到着。

 なお、ここの駐車場にはトイレが無い。あずまや高原ホテルで借りることができる(閉館したのでトイレはありません)ようだが、事前に済ませておいた方が良いだろう。また、晴天の休日は駐車場が満車になることも多いらしいので注意が必要だ。

*あずまや温泉閉館後も除雪されています。

「あずまや高原ホテル(閉館)」

 散策の準備を整え、午前6時17分にロガーをセットして駐車場を出発。アスファルトの道路を少し歩くと、登山届入れがある登山口に着く。


「登山届入れがある登山口」

 近くにあった道標によると、この場所から山頂までのコースタイムは登り3時間30分、下り3時間、合計6時間30分のようだ。

 ちなみに、山と高原地図のコースタイムは6時間10分、ヤマケイオンラインのコースタイムは4時間33分となっていた。

*ヤマケイオンラインのコースタイムは健脚な人じゃないと難しいと思います。

「林道のゲート」

 別荘地? の林道を7~8分歩くと車止めのゲートがある。そこからは道幅が狭い登山道になり、さらに15分ほど歩くと牧場に着く。


「冬季はここで入っても問題無いのかもしれない」

 通常は鉄条網に沿って左側に行くのが正しいルートのようだが、冬季は牛が居ないため、ここで牧場内に入っても問題無いのかもしれない。この時は左側に続く正式な登山道を進んだ。


「並木に沿って歩きます」

 少し進んだ場所から牧場内に入り、そこからは白樺等の雑木の並木に沿って歩く。牧場内は広いが、両側に鉄条網があるため、特別に雪が深くなければルートはわかりやすいと思う。


「四阿山が正面に見える」

 この時点で展望は良く、右手に浅間山、左手に北アルプスを見ながら、ゆっくりと登って行くと、牧場入り口から35分ほどで広い尾根を行く登山道になる。


「ダケカンバ等の雑木林は明るい」

 降雪直後のトレースが無い場合はルートがわかりにくいかもしれないが、適当な所を歩いて行っても大丈夫そうな気がした。

*電波が無くても使える、スマホのGPS地図アプリと予備バッテリーを持ちましょう。

「中尾根との分岐」

 牧場終点から20分ほどで中尾根との分岐に着く。中尾根(中四阿)を経由して周回する人も居るようで、しっかりとしたトレースがあった。

 中尾根を経由するルートは破線扱いだが、もしも、中尾根を経由して周回してみようと思っている場合には、途中でトレースが無くなっている場合のことを考慮して、初心者は登りで利用した方が安全だと思う。


「霊峰四阿山と書かれた旗がある里宮」

 分岐から少し進むと「霊峰 四阿山」と書かれた旗がある「里宮」に着く。安全に登れますように……と祈願して先に進んだ。

*2024年に登った時には旗は無く鳥居が建っていました。

「少し斜度が急になる」

 里宮を過ぎると傾斜が少しずつ強くなり、スリップするようになってきたためアイゼンを装着。ここはスノーシューハイキングで有名なコースらしく、急斜面はほとんど無い。

 そのため、雪が締まっていればチェーンスパイク等の軽アイゼンでも問題無いのかもしれないが、この日は高温が予想されていたので12本爪を装着。チェーンだと、雪団子高下駄になるのが容易に想像できたためだ。

*軽アイゼンでも問題無いと思いますが、10本爪以上のちゃんとしたアイゼンの方が快適だと思います(南側斜面のため、チェーンだと雪団子が発生しやすい)。新雪の場合には、スノーシューかワカンが無いと厳しいでしょう。ピッケルは山頂往復だけなら不要ですね。

「ずっと展望は良い」

 当日の朝は雪がしっかりと締まっていたため、アイゼンの刃が効いて登りやすかった。このルートは樹林帯でも展望は良好。時々、振り返って眺めたりしながら、ゆっくりと登った。


「八合目と書かれた岩」

 さらに登って行くと、八合目と書かれた岩がある場所に着く。この辺りから展望はさらに良くなり、遠くに富士山を望むことも出来た。浅間山が少し噴いたのか、この辺りでパーンっと言う音を聞いたような気がしたが……気のせいだったのだろうか?


「浅間山の噴煙が多かった」

 八合目より先には多少、岩が多い場所もあったりするが、幅が広い尾根なのは変わらず、難易度が高い場所は存在しない。とても展望が良いので、天気が良い日は足が止まりがちになるだろう。


「ようやく山頂が見えた」

 中尾根を経由するルートと合流する辺りまで来ると、ようやく目指す山頂が見えてくる。分岐から山頂までは900m、コースタイムは35分ほどだが、この時点ではまだ遠く感じた。ゆっくりと、疲れた足を引きずりながら頑張って歩く。


「山頂手前は少しだけ急ですね」

 山頂の手前は少しだけ急だが、完全に凍結しているような場合を除けば滑落するようなレベルでは無い。ただ、すでにかなり疲労していたため、のんびりと少しずつしか登れなかった。


「四阿山頂」

 山頂には午前10時頃に到着。登山口から3時間半……丁度、道標のコースタイム通りだった。普通体力の人は大体、こんな感じになるのではないかなと思う。


「北峰方面はちょっと危険かも」

 山頂はあまり広くなく、北峰方面は痩せ尾根になっている。風が少し強く、危険なので私は近寄らなかったが、バックカントリースキーの人はこの先から滑っていくようだ。


「日本海方面」

 山頂からは、これまで見えなかった日本海方面もよく見えた。山頂が狭いお陰で、ほとんど動かずに360度の大展望が見られるのは素晴らしい。


「根子岳方面」

 山頂には誰も居なかったので、石垣の脇で風を避けつつ、ポットのお湯でカップラーメンを作って食べながら絶景を楽しんだ。


「帰ります」

 食事を終え、荷物を片付け終えると人が次々に登ってきた。十分に景色を堪能したので下山を開始。傾斜がそれほど強くないため、下山も比較的安全だ。


「中尾根・小四阿方面との分岐」

 途中、歩くのがだるいのでシリセードで下りられないかなと思ったのだが、斜度が緩いうえに、アンチグリースのハードシェルパンツだったので全く滑らなかった。


「牧場内の並木道」

 ひたすら下り、牧場内の緩い斜面をテクテクと歩いて駐車場へと戻る。11.1㎞・5時間44分の散策だった。

関連動画「5分で冬の四阿山【4K】(2024年2月中旬)」

・暇な人はどうぞ…

まとめ

 四阿山に登ったのは二度目なのですが、こんなに展望が良い山だったけ? っと、言うくらい素晴らしかったです。厳冬期の晴天時に、また訪れたいと思いました。

 冬でも人気の山ですので、厳冬期でも晴天が続けばトレースが期待できそうです。ルート上に危険箇所は無いため、トレースがあって天気が良ければ、雪山初心者でも問題無いでしょう。おススメのルートです。

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