冬の日光白根山「ロープウェイを使って関東以北最高峰の雪山を散策♪」

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日光白根山とは?

 日光白根山(にっこうしらねさん)は、群馬県と栃木県の県境付近にある標高2,578m(奥白根山)の火山。日本百名山、関東百名山、群馬百名山、栃木百名山の一つ。関東以北最高峰の山として知られています。

 難易度的には、雪山登山初級~中級者向けとなります。雪崩・滑落・凍傷・低体温症のリスクがありますのでご注意下さい。積雪期に登山をする場合には、滑り止め等の一般的な雪山装備が必要です。

*悪天候での雪山登山は大変危険です。 有名な雪山の中では人気が無く、平日はトレースが無いことも多いようです。雪山散策に適したシーズンは、1月上旬~3月下旬頃だと思います。

・アイゼン(クランポン)10本爪~12本爪
・ピッケル(アックス)念のため携帯
・ハードシェル推奨
・冬山用登山靴推奨
・ワカン(スノーシュー)降雪後は必要

火山登山者向けの情報提供ページ(気象庁):https://www.data.jma.go.jp/vois/data/tokyo/STOCK/activity_info/map_0.html

駐車場・アクセス

駐車場: 丸沼高原スキー場の駐車場を利用。平日は無料、休日は1,000円ですが、休日でも無料の駐車場があります。詳しくは、丸沼高原スキー場のホームページ「アクセス」をご覧下さい。また、ロープウェイが運休や時短営業の日がありますので、必ずホームページで確認してからお出かけ下さい。

アクセス:マイカーでのアクセスは、Googleマップ大先生に聞いて下さい。なお、冬季は金精峠が冬季通行止めになるため、栃木県側からアクセス出来ません。公共交通機関をご利用の場合には、丸沼高原スキー場のサイト「アクセス」をご覧下さい。直通バスがあるようですが、健脚な人以外の日帰り登山は時間的に厳しいみたいです。

丸沼高原スキー場:https://www.marunuma.jp/winter/ticket/

今回のコース

ロープウェイ山頂駅 標高2,000m(トイレ・レストラン)
↓150分 ↑120分
奥白根山山頂 標高2,578m

標準コースタイム 4時間30分 距離:6.1km
(ロガー測定値:4時間4分・6.7km)
*雪の状態によって、時間や難易度が変わります。トレースが無いと日帰りは難しくなりますのでご注意下さい。

撮影:2023年2月上旬

2月の日光白根山に登ってみた♪

 2023年2月上旬、日光白根山に登るため、丸沼高原スキー場を目指して車を走らせた。このスキー場は、金精峠に続く国道120号線の途中、冬季通行止めのゲート付近にある。この日は道路上に雪は無かったが、大きいスキー場があるため、降雪後でも除雪は行き届いていると思う。


「ロープウェイ センターステーション」

 目的地には午前8時半頃到着。平日は駐車料金が無料なため、料金所の横を通り抜けて、屋外トイレがある第1駐車場に駐車。散策の準備を整えたら、ロープウェイのチケットを購入するため、センターステーション2階のインフォメーション窓口へ。受付はスキー客用と登山者用で分かれていて、登山者は右側のインフォメーション窓口でロープウェイのチケットを購入する。

*インフォメーション窓口は、シーズンにより変更となる可能性があります。現地の指示に従ってください。

「登山届けとココヘリ申込用紙」

 その際、受付付近に置かれている登山届と、ココヘリ申込用紙(ココヘリ会員以外の方は提出)に必要事項を記入して提出することが義務化されている。電子申請済みでも、記入して提出しないとチケットは購入できない。

 料金は、ロープウェイ往復2,300円(2024シーズンから2500円)、ココヘリレンタル代1,100円(ココへリ会員以外の方)、ICカードの保証金1,000円で、合計4,400円となっている。なお、ICカード保証金の1,000円は、下山時に返却される。

*下山したら、受付でICカードとココヘリ(レンタルした場合)を返却する必要があります。返却しないと、遭難騒ぎになる可能性がありますのでご注意下さい。帰りのロープウェイに間に合わなかった場合には、インフォメーションセンターに連絡後、指示に従って徒歩下山になるようです。

「ロープウェイ乗り場」

 チケット購入後は、センターステーションの外に出て、右側のロープウェイ乗り場に進む。登山者は、異端かって言うくらい少ないので、ちょっと恥ずかしい。なお、ICカードはポケットに入れたままで入口のゲートが開くため、通過時に取り出す必要は無い。


「ロープウェイ山頂駅から奥白根山」

 しばらく空中散歩を楽しんで、ロックガーデンのある山頂駅に着く。天空の足湯は冬季はやっていないけど、レストランは営業中だった。なお、トイレはココが最終となる。


「鳥居とコースマップ」

 日光白根山への登山ルートは複数あるものの、厳冬期に私レベルの雪山ハイカーが登れるのは、ロープウェイ山頂駅から白根山ルートの往復コースしかない。他のルートは難易度が数段上がり、トレースも期待出来ないので注意が必要だ。


「コースマップ」

 避難小屋付近まではスノーシューハイキングコースのため、ノーアイゼンでも問題無いが、今回もトレーニングを兼ねて最初から12本爪アイゼンを装着。

 難易度が低い白根山ルートでも、それなりに急登があるため、アイゼンは10本爪~12本爪が良いと思う。雪質にもよるけど、ノーアイゼンやチェーンスパイクは、雪山歩行経験が豊富で、運動神経が良い方でないと危険だと思う。

*6本爪軽アイゼンでも行けるかもしれませんが、森林限界より上が歩きにくそうなのでオススメしません。

「二荒山神社」

 一礼をしてから鳥居を潜り、しばらく進むと二荒山神社がある。山行の無事を祈って、鹿避けのゲート(冬季は解放されている)を通り抜けて山頂を目指した。


「鹿避けゲート」

 この日はしっかりとしたトレースが出来ていたものの、降雪後の平日はトレースがないことが多いらしい。僻地にあるため、訪れる人が少ないのかもしれない。


「不動岩」

 踏みならされた平坦な雪道をテクテク歩いて行くと、不動岩と呼ばれている大きな岩塊が現れる。氷柱があちこちに出来ているため、近づき過ぎると危険かもしれない。


「大日如来」

 さらに進むと、大日如来の石像がある。本来は岩の上にあるらしいのだけど、雪に埋もれているので土台の岩は確認できなかった。


「避難小屋分岐」

 大日如来の先で、七色平(避難小屋方面)との分岐になる。この先から本格的な登山道に入るため、アイゼンを装着した方が良いと思う。


「雪崩に注意」

 森林限界までは、樹林帯のやや急な斜面をトラバースするように登るルートで、それほどキツくはないけれど、何カ所か急な登りもある。地獄ナギと呼ばれる谷地形は雪崩危険箇所になっているため、雪が多い年は注意が必要かもしれない。

*トレースが無い、薄い場合には、定期的に登山用の地図アプリで確認して下さい。間違ったトレースや、バリエーションルートのトレースに入らないように注意が必要です。

「森林限界手前の急斜面」

 ひたすら進み、最後に急登を登り切ると森林限界に出る。晴れていれば、最高の展望が広がるだろう。この先は風の通り道となるため、先に進む前に準備を整えておきたい。


「奥白根ブルー?」

 当日は風がそこそこ強かったため、久しぶりにハードシェルを着込む。雪は風で飛ばされてしまうのか少なく、石や地面が出ている場所も多かった。アイゼンの引っ掛けによる転倒には十分に注意したい。


「火口」

 山頂までのルートは夏道通りのようで、ロープやそれっぽい道に沿って登る。傾斜はそれほど強くないため、悪条件の日以外は、ピッケルの出番は無さそう。そんな道をテクテクと歩いて行くと、山頂付近の火口が見えてくる。まだ地熱があるのか、火口に雪が積もっていないのが少し怖い。雪の下に謎の空洞がある場所もあった。


「奥白根神社」

 火口の縁から少し登ると、奥白根神社に到着する。散策の無事をお祈りしてから、最後の岩場を登って行く。ココは奥白根神社から見ると急な岩場に見えるが、実際には難しい場所は無い。ただし、アイゼンの引っ掛けによる転倒・転落だけは注意したい。

*変な場所を登らないように、周囲を良く確認して下さい。

「岩場の難易度は低い」

 山頂には午前11時50分に到着。ロープウェイ山頂駅から、およそ2時間30分だった(ほぼコースタイム)。山頂には温度計が付いた山頂標識と三角点がある。以前は、群馬側と栃木側に標識があった気がするんだけど、今は一つなんだろうか? 見たところ、山頂標識は一つしか無かった。


「山頂標識」

 周囲に遮る物がないため、山頂からは360度の展望が望める。山座同定は苦手なので、富士山や浅間山、燧ヶ岳、すぐ傍の男体山など、特徴のある山以外はわからなかった。


「男体山と中禅寺湖」

 山頂の温度計によると、気温は-9℃と少し低かったものの、山頂はそこまで風が強くなかったので寒くはない。中禅寺湖を眺めながら十分に休憩を取り、元来たルートを戻る。6.7km・4時間4分の、丁度良い雪山散策だった。

動画「5分で冬の日光白根山」

・暇な人はどうぞ……

関連サイト

丸沼高原スキー場:https://www.marunuma.jp/winter/ticket/

火山登山者向けの情報提供ページ(気象庁):https://www.data.jma.go.jp/vois/data/tokyo/STOCK/activity_info/map_0.html

まとめ

 好天でトレースがしっかりしている場合には、雪山初心者でも問題無く登れると思います。しかし、トレースが無い場合には、普通体力の人では日帰りは難しいでしょう。

 危険箇所は少ないですが、森林限界まで少し急な斜面のトラバースが続きますので、雪の状態が悪い時に滑落すると、木に激突して怪我をする可能性はあります。アイゼンの引っ掛けによる転倒にもご注意下さい。

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