那須岳とは?
那須岳(なすだけ)は、栃木県北部に位置する那須連山の総称ですが、一般的には主峰の茶臼岳(ちゃうすだけ:標高1,915m)を指していることが多いようです。日本百名山、栃木百名山の一つ。茶臼岳・朝日岳(あさひだけ)・三本槍岳(さんぼんやりだけ)・南月山(みなみがつさん)・黒尾谷岳(くろおやだけ)の五つの峰は、那須五岳と呼ばれているそうです。
駐車場・アクセス
駐車場:峠の茶屋駐車場 第1・第2を利用(無料:170台程度)。ロープウェイに乗る場合には、那須ロープウェイ駐車場か、混雑している場合には大丸駐車場を利用します。紅葉時期の土日祝日は、ヤバイ位に混雑するとか……。
アクセス:東北自動車道 那須ICから車で40分。公共交通機関をご利用の場合には、那須ロープウェイ、または関東自動車株式会社(路線バス)のサイトをご覧下さい。
那須ロープウェイ:https://www.nasu-ropeway.jp/
関東自動車株式会社(路線バス):https://www.kantobus.co.jp/index.php
今回のコース
峠の茶屋駐車場 標高1,468m(トイレ)
↓ 45分
峰の茶屋跡 標高1,723m(避難小屋:トイレ無し)
↓ 40分
朝日岳分岐(朝日の肩)標高1,843m
↓ 10分
朝日岳 標高1,896m
↓ 5分
朝日岳分岐(朝日の肩)標高1,843m
↓ 15分
熊見曽根分岐 標高1,872m
↓ 25分
北温泉分岐 標高1,856m
↓ 30分
三本槍岳 標高1,916.9m
↓ 20分
北温泉分岐 標高1,856m
↓ 30分
熊見曽根分岐 標高1,872m
↓ 25分
隠居倉 標高1,819m
↓ 50分
三斗小屋温泉 標高1,459m(温泉旅館!)
↓ 20分
沼原分岐 標高1,491m
↓ 45分
峰の茶屋跡 標高1,723m(避難小屋:トイレ無し)
↓ 30分
お釜口 標高1,872m
↓ 10分
茶臼岳 標高1,915m
↓ 10分
お釜口 標高1,872m
↓ 20分
峰の茶屋跡 標高1,723m(避難小屋:トイレ無し)
↓ 30分
峠の茶屋駐車場 標高1,468m(トイレ)
標準コースタイム 7時間35分 距離:15km
(ロガー測定値:8時間42分・16km)
撮影:2023年10月3日
秋の那須岳に登ってみた♪
2023年10月上旬、那須岳に登るため、峠の茶屋駐車場を目指した。那須は有名な観光地のため、道路状況は心配無い。普通に運転して、午前7時前に駐車場に到着した。
那須岳は初心者レベルとのことなので、簡単に準備をして、午前7時過ぎから登り始めた。なお、登山道はトイレがある建物を抜けた先にある。
*2023年10月6日~7日に、朝日岳付近で男女4人が死亡する遭難事故が起きました。強風のため動けなくなり、低体温症で死亡したとみられます。
コンクリートで固められた道をテクテクと歩いて行くと、ロープウェイ駐車場方面との分岐に着く。ここには登山届提出場所がある。提出していない場合には出しておこう。
すぐ近くには、撮影スポットとしては定番の鳥居がある。この鳥居から先が登山道となるのだ。近くにある山之神の祠? に安全を祈願してから先に進む。
峰の茶屋跡避難小屋までは、常識的な天候の日であれば特に危険な場所は無い。もちろん、転んだりして怪我をすることはあるかもしれないが、道に迷ったり、滑落したりすることは無い……と信じたい。
*那須岳は強風で有名です。山頂の予報で風速10mを越える場合には登山の中止を検討して下さい。地形の関係で、予報よりも強く吹くようです。
樹林帯を20分ほど登ると森林限界に出る。この辺りから風が強くなるため、気温が低い時は防風防寒を意識した服装にした方が良いと思う。
しっかりと整備された歩きやすい道を登って行くと、やがて赤い屋根の避難小屋が見えてきた。普通は見えてからが遠いんだけど、ここは本当にすぐそこだ。
のんびりと歩いて、峰の茶屋跡避難小屋に到着。駐車場から50分ほど掛かった。この避難小屋は強風や雷雨等の時に避難する小屋で、トイレや売店などは無い。
当初の計画としては、茶臼岳に登ってから、姥ヶ平を経由して三斗小屋温泉に向かう予定であった。しかし、茶臼岳が雲の中だったため、先に朝日岳に登ることにした。
その朝日岳方向を見ると、目の前に剣ヶ峰が聳えていて、「え? ここを登るの?」って、なるけど、剣ヶ峰に登山道は無い。楽なトラバース道を進めば良いのだ。
テクテクと歩き、恵比寿大黒という奇岩のある場所に差し掛かると、峰の茶屋跡よりも強い風が吹いていた。一瞬、体が煽られそうになるほど。雷と強風には十分に注意した方が良いと思う。
*当日は予報で風速13m位でしたが、この区間は20mは吹いていました。
先に進むと、鎖が張ってある場所が出てくる。これはガイドロープ代わりで、つかまって登るためのものではないが、強風時やバランスを崩しそうな時には、支えにしても許されると思う。
さらに進むと、岩場をトラバースする場所が出てくる。しかし、足場は十分な広さがあり、手摺り代わりの鎖もあるため難易度は低い。……とは言え、誤って落ちれば大怪我以上になる可能性があるし、落石がありそうなのが少し怖い。慎重に通過した。
岩場を通り過ぎれば朝日の肩に着く。そこから朝日岳までは10分ほど。特に難しい場所は無いので、サクッと登って山頂に立った。
朝日岳の山頂からは大展望が望める。茶臼岳はロープウェイで登ったことがあるんだけど、朝日岳方面に行ってこそ、那須岳は良いんだな~と思った。
朝日岳で展望を楽しんだ後は、三本槍岳方面に向けて歩く。三斗小屋温泉との分岐である熊見曽根を過ぎ、さらに先に進む。こちら側は岩場等は無く、気持ちの良い稜線が続いている。
テクテクと歩いて行くと、やがて清水平が見えてくる。ここから一旦、下りになるけれど、標高差は大したことはない。当日は紅葉には少し早かったものの、この辺りは見頃となっていた。
清水平付近からは低木に覆われ、登山道が細くなるが、迷うような所も危ない所も無い。ひたすら歩いて行くと、北温泉方面との分岐があった。道標に従って、三本槍岳方面に進む。
山頂へと続く緩い坂を登り詰め、三本槍岳には9時45分頃に到着。駐車場から2時間40分ほど掛かった。このコースには急登が無いため、体力の消耗は少ないと思う。
三本槍岳山頂からは、裏那須の流石山~三倉山の気持ち良さそうな稜線が目を引く。いつか歩いて見たいものだ……と思いながら、来た道を引き返し、熊見曽根まで戻った。
熊見曽根分岐からは、隠居倉を経由して三斗小屋温泉に向けて下る。隠居倉周辺は少しザレ気味で、油断するとズルッと滑る場所があった。
気を付けながら、隠居倉を通過して下って行く。ここからの下りは思ったよりも急で、予定していた時計回りコースだったら、かなり疲れたかもしれない。
さらに下ると、蛇籠のように針金で石が組まれた下りとなる。濡れていると滑りそうだからか、鎖が手摺り代わりとして設置されていた。
そこを下りきると、三斗小屋温泉の源泉地に着く。周辺は粘土質で滑りやすく、源泉に近づく際は転倒に要注意だ。
源泉地から600m程下ると三斗小屋温泉神社本殿があった。外は新しい小屋で覆われているものの、内を覗くと、歴史のある彫り物を見ることが出来る。
三斗小屋温泉にはお昼頃に到着。日帰り入浴を受付ているのは煙草屋旅館のみなので、1,000円を支払って入浴をさせて貰った。また、山バッチ500円も購入。
登山中に温泉に入ると疲れることがあるんだけど、今回は激しく疲れてしまった。あまりにも気持ちが良かったので、どっぷりと浸かりすぎたのが原因かもしれない。
温泉を堪能した後は、沼原分岐を経て峰の茶屋跡避難小屋まで登り返す。このルートはかなり楽で、体力の消耗はほとんど無いんだけれど、温泉の効果? で体中の力が抜けたようになって歩けなかった。
仕方なく、休みながらのんびりと歩いていると、延命水と言う湧き水が出ている場所に着く。折角なので飲んでみると、少しだけ鉄分を感じるけど、それなりに美味しい水だった……と思う。
テクテクと歩いて、那須岳避難小屋に到着。ここは、あまりにも風が強くて、峰の茶屋跡に到達出来ない時に待機するための小屋だと言われている。それ位、那須岳の強風はヤバイと言うことなのかもしれない。
風が無ければ難易度は易しいため、のんびりと歩いて峰の茶屋跡にある避難小屋に戻ってきた。このまま下山したいな~と思う心を押さえつけ、茶臼岳に向けて登って行く。
茶臼岳は観光コースのため、登山道はよく整備されている。……とは言え、火山なので岩や石がゴロゴロしており、それなりに注意は必要だと思う。もしも、噴火したら? 身を隠すシェルターが無いため、諦めるしかないと思う。
草臥れていたので、ゆっくりと登って行くと、お釜口と書かれた分岐に辿り着いた。道標に従って、茶臼岳の山頂を目指す。
ほぼ傾斜の無い道をのんびりと歩いて、何とか茶臼岳山頂に到着。そこからの展望は間違いなく素晴らしい。天気が良ければ大満足だろう。
山頂には道標と那須岳神社の祠がある。祠に向かって、無事に帰れますように……と祈願したら、元来た道を下って駐車場に戻った。16km・8時間42分の散策だった。
動画「15分で秋の那須岳」
・暇な人はどうぞ……
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関連サイト
煙草屋旅館:https://tabakoyaryokan.com/
大黒屋旅館:https://sandogoya-onsen.com/
那須ロープウェイ:https://www.nasu-ropeway.jp/
関東自動車株式会社(路線バス):https://www.kantobus.co.jp/index.php
まとめ
那須岳は思ったよりも素晴らしい山でした。基本的には初心者向けの易しい山ですが、那須岳は強風で有名です。遭難事故も起きていますので、無理をせずに安全第一でお楽しみ下さいませ。どのコースでも、登山用の装備やレインウェアは絶対に必要ですよ。
もう行った(行ってみたい)……と言う人は↓