アプトの道とは?
群馬県安中市にある、信越本線アプト式鉄道時代の廃線敷を利用した散策コース。横川駅~熊ノ平駅間の約6キロメートルが遊歩道として整備されている。アプトの道は国の重要文化財である旧丸山変電所をはじめ6つの橋梁と10の隧道があり、めがね橋を代表する鉄道煉瓦構造物群などの碓氷峠鉄道遺産にふれることができる(引用:安中市ホームページ)……とのことだ。
アプト式鉄道
日本民営鉄道協会:https://www.mintetsu.or.jp/knowledge/term/16292.html
2本のレールの真ん中に歯状レール(ラックレール)を敷き、それに機関車の床下に設けられた歯車(ピニオンギア)を噛み合わせ、急こう配の線路を登り降りする鉄道を「ラック式鉄道」といい、そのうち、複数のラックレールを設置するなどして噛み合わせの強度を高めた方式を、開発者の名前にちなんで「アプト式鉄道」といいます。
駐車場・アクセス
駐車場:松井田町営駐車場等を利用。
アクセス:JR横川駅からすぐです。マイカーでのアクセスは、Googleマップ大先生に聞いて下さい。
今回のコース
信越線 横川駅(トイレ ・食堂)標高388m
↓ 10分 ↑10分
碓氷関所跡 標高403m
↓ 25分 ↑ 20分
丸山変電所跡 標高443m
↓ 20分 ↑ 15分
峠の湯 標高485m(トイレ・食堂・日帰り温泉)
↓ 20分 ↑ 15分
碓氷湖分岐 標高539m(トイレ)
↓ 25分 ↑ 20分
めがね橋 標高589m(トイレ)
↓ 25分 ↑ 20分
熊ノ平 標高679m
標準コースタイム:12.6km・3時間45分
(ロガー計測値:14.1km・3時間40分)
撮影日:2021年11月2日
紅葉シーズンにアプトの道を歩いてみた♪
2021年11月2日、JR信越本線横川駅から、アプトの道を熊ノ平まで歩いてきた。紅葉には少し早いような気もしたけど、たまには軽い散策も良いだろうと思いつつ……。
松井田町営駐車場に車を止めて、午前10時に駅前からスタート。JR信越本線横川駅と言えば、「おぎのや」の峠の釜めしが有名だろう。遠い昔、電車旅でこの駅に停車した際には、売り子さんからよく買っていたものだ。
今はどこでも買えるから、ありがたみが薄れたんだよな~と思いつつ、アプトの道(起点)まで歩いた。今回は、この起点から旧熊ノ平駅までの、およそ6kmを歩く予定だ。
左手に碓氷峠鉄道文化村を眺めながら進んで行くと、碓氷関所跡方面との分岐に着く。アプトの道から少し離れるけど、折角だから寄って行こう。
碓氷関所跡には、番所跡に復元された東門だけが建っている(写真を撮り忘れた)。アプトの道起点付近に、一般社団法人安中市観光機構資料館があるので、気になる人は資料を見させて貰うと良いだろう。
なお、関連した場所として、おぎのや横川店から高崎方面に少し走った国道18号線沿いに「磔河原」と言う場所がある。道が狭いらしいので行かない方が良いと思うけど、関所破りをして処刑された人の供養碑があるそうだ(供養碑自体は新しいそうです)。
アプトの道に戻って先を急ぐ。アプトの道は完全に整備されているため、装備はペットボトル一本と適当なお菓子、念のため防寒着を持って行けば良い。道はやや荒れている部分があるため、靴は歩きやすいものが良いと思う。
テクテクと歩いて行くと、やがてレンガ造りの建物が見えてくる。旧丸山変電所だ。明治45年に建てられた建築物だそうで、国の重要文化財に指定されているらしい。
建物の内部には入ることが出来ないため、写真だけ撮って速やかに通過。なお、5~10月に建物の裏手に回る場合には、山ヒルやマダニに注意した方が良いだろう。知らない内に足下を這っていたりする。
旧丸山変電所から20分ほど歩くと、日帰り温泉施設の「峠の湯」に着く。2013年7月~2015年12月にかけて、火災で一時的に休業していたことがあったものの、今は普通に営業している。温泉の感想は記憶に残っていないけれど、碓氷エリアの散策やドライブの帰りに立ち寄るには良い立地だと思う。
なお、3月~11月の土日祝日(お盆時期は毎日運行)は、鉄道文化村からココまでトロッコ列車が運行している。歩きたくないけど、廃線跡を少し通ってみたい……と言う人は利用すると良いだろう。
関連サイト:峠の湯(https://www.usuitouge.com/tougenoyu/index.php)
関連サイト:碓氷峠鉄道文化村トロッコ列車ライン(https://www.usuitouge.com/bunkamura/installation/installation9/)
峠の湯を出ると、すぐに白秋の歌「碓氷の春」が刻まれた碑がある。歴史的なものでは無いので、チラッと見て通過。その先には、碓氷第一トンネルが口を開けていた。
レンガ造りの古いトンネルは風情があるものの、薄暗い時間帯は怖いと思う。午後6時に電灯が消えるので、変な時間に散策しないようにしたい(熊やイノシシと遭遇したり、職務質問を受けたりするかも……)。
この第一トンネルを抜け、さらに第二トンネルを抜けると、碓氷湖との分岐に着く。アプトの道(起点)から碓氷湖までは、コースタイムで1時間15分となっている。全体的に緩い登り坂になっているため、運動不足気味の人は疲れるかもしれない。
碓氷湖の駐車場にはトイレがあるものの、アプトの道から少し下らなければならない。この時は工事中だったため散策はしなかったけれど、通常であれば湖を一周することも出来る。
碓氷湖を過ぎ、さらに3つのトンネルを抜けると、碓氷第三橋梁こと、通称「めがね橋」に着く。この周辺にある観光スポットとしては最も有名な場所だ。
だいぶ前の話になるけど、JR東日本・大人の休日倶楽部の「群馬県『SLと鉄道遺産篇』」で、吉永小百合さんが歩いていた場所になる。
明治25年4月に建設が始まり12月に完成。芸術と技術が融合した美しいレンガのアーチ橋で、川底からの高さが31mあり、我が国最大級のものです。この4連の雄大なアーチ橋は通称「めがね橋」として親しまれています。
橋梁は、第2橋梁から第6橋梁までの5基が残っており、すべてが煉瓦造りで、国重要文化財に指定されています。
安中市:https://www.city.annaka.lg.jp/kanko_spot/megane.html
ここは橋の脇に遊歩道が整備されていて、自由に登ったり下りたり出来るようになっている。下におりて写真を撮ったけど、人が多い時は撮影の難易度が高いと思う。
なお、トイレ(新しくて綺麗です)は碓氷峠(旧国道18号)を軽井沢方面に少し登った駐車場にある。微妙に遠いけど、この先の熊ノ平にトイレは無いそうなので、行きたい場合にはココで済ませておきたい。また、バスは期間限定なので注意が必要だ。
関連サイト:めがねバス(http://www.jrbuskanto.co.jp/bus_etc/cntimep01.cfm?pa=1&pc=j0460031&pd=0&st=1)
上に戻り、第6号トンネルに入る。ここはアプトの道にあるトンネルの中では最も長い。中には採光(換気口かな)があって、少し廃墟っぽい感じがする。撮影するには良いスポットだろう。変なものが写りそうで怖い気もするけど……。
犬の散歩をされていた方を見て、今は亡き愛犬と、ここを一緒に歩いた日のことを思い出した。アプトの道を犬と歩く場合には人が少ない時を選び、山ヒルには注意してあげて欲しい(冬季のトンネル内は、つららにも注意が必要です)。
第6号トンネルから先は短い橋梁とトンネルが続いた。紅葉した周辺の山々を見ながら歩いて行くと、やがて旧熊ノ平駅に到着。アプトの道(起点)から2時間程度だ。
旧熊ノ平駅には当時の施設がそのまま残っているものの、建物の中には入ることが出来ない。また、ここより先に進むことも出来ない。
旧熊ノ平駅周辺は紅葉の名所とのことだが、この場所自体はそれほどでも無い。鉄道遺産が好きな人以外には、特に見所は無いだろう。一応、終点まで歩いてから、元来た道を戻った。
帰りも紅葉を楽しみながら歩き、無事に横川駅に到着。14.1km・3時間40分のゆるい散策であった。
動画(7分でアプトの道)
・今回も動画を撮ってきました。暇な人はどうぞ(音注意)。なお、テロップはyoutubeの字幕機能を使用しています。表示する場合には、字幕(C)をONにしてご覧下さい(1080P推奨)。 なお、とっても眠くなります。
まとめ
群馬県安中市にある、信越本線アプト式鉄道時代の廃線敷を利用した散策コース、アプトの道を歩いてきました。道は完全に整備されていて、天気の良い日であれば装備は必要無いですね。
ゆるい散策ではありますが、熊ノ平駅までは緩い登り坂が続くため、運動不足気味な人や足が悪い人には辛いかもしれません。無理をせずにお楽しみ下さいませ。
もう行った(行ってみたい)……と言う人は↓