高原山とは?
高原山(たかはらやま、たかはらさん)は、栃木県日光市と同塩谷郡塩谷町、那須塩原市、矢板市に跨る、標高1,795m(釈迦ヶ岳)の火山。日本三百名山、関東百名山、栃木百名山の一つ。南側の釈迦ヶ岳火山群と北側の塩原火山群を総称して高原山と呼んでいるそうです。
難易度的には、雪山登山初級者向けとなります。滑落・低体温症のリスクがありますのでご注意下さい。積雪期に登山をする場合には、一般的な雪山登山の装備が必要です。
*悪天候での雪山登山は大変危険です。雪山散策に適した期間は、1月上旬~3月上旬だと思います。トレースは期待出来ないことが多いみたいなので、スマホの登山地図アプリと予備バッテリーは必ず装備して下さい。
・アイゼン(クランポン) | 12本爪推奨 |
・ピッケル(アックス) | 推奨 |
・ハードシェル | 推奨 |
・冬山用登山靴 | 推奨 |
・スノーシュー | 大雪直後は必要 |
駐車場・アクセス
駐車場1:大鳥居前(西口登山口)のスペースを利用(5~7台程度)。なお、大雪時には、除雪のため駐車出来ないことがあるようです。また。google mapで鶏頂山登山口駐車場を検索した際に出てくる、藤原登山口の駐車場は、一定の積雪量になると利用出来ないようです。当日は雪の壁で進入出来ませんでした。
駐車場2:エーデルワイススキーリゾートの無料駐車場を利用して、大鳥居まで車道を20分程歩きます。ただし、意外と交通量が多く、歩道が無いため、交通事故の危険性が高いかもしれません。スキー場からも登山道に入れるため、ゲレンデの端を歩いてもよいか、スキー場のスタッフに聞いてみるのもありかなと思います。なお、スキー場のリフトは登山者の利用が出来ないようです。
アクセス:マイカーでのアクセスは、Googleマップ大先生に聞いて下さい。公共交通機関をご利用の場合には、エーデルワイススキーリゾートのシャトルバスか、タクシーを使うしかなさそうです。
エーデルワイススキーリゾート:https://edelsnow.com/
今回のルート
大鳥居 標高1,261m
↓41分
枯木沼分岐(藤原登山口分岐) 標高1,408m
↓21分
大沼分岐 標高1,461
↓16分
弁天沼 標高1,517m
↓56分
鶏頂山 標高1,765m
↓73分
釈迦ヶ岳 標高1,795m
↓56分
弁天沼 標高1,517m
↓12分
大沼分岐 標高1,461
↓17分
枯木沼分岐(藤原登山口分岐) 標高1,408m
↓31分
大鳥居 標高1,261m
標準コースタイム:5時間23分・9.9㎞
(ロガー測定値:6時間31分・10km)
*雪の状態によって、時間や難易度が変わります。
2月の鶏頂山と釈迦ヶ岳登ってみた♪
2025年2月下旬、冬季の高原山に登ってみたくなって、日塩もみじラインを車で行く。当日は路上に雪がほとんどなく、特に危険を感じずに、目的の大鳥居前の駐車スペースに到着した。

この駐車スペースの少し手前に、鶏頂山登山口駐車場(藤原登山口)があるのだけど、除雪されていなくて利用できなかった。なお、ここにトイレは無いが、エーデルワイススキーリゾートのゲレンデに24時間開放のトイレがあるようだ。

直近の情報が少なかったので、念のためにスノーシューとピッケルも持って(お荷物でしたけど……)、午前8時頃に駐車場を出発。最初は廃業した鶏頂山スキー場の中を歩いて行く。

元スキー場だった場所なので、雪で草が埋まっていれば歩きやすいルートだ。テクテクとゲレンデを登って、枯木沼と呼ばれる場所に到着。

この付近には道標等は無いが、写真の場所で右側に曲がるのが正規のルートみたいだ。トレースが無かったら、真っすぐに行って「おかしいな?」となっていたかもしれない。
*真っすぐに行くと、エーデルワイススキー場に出るみたいです。

トレースを辿って歩いて行くと、藤原登山口方面からの道と合流。この周辺には、雪上車? が通った跡があって、楽に歩くことが出来た。

分岐からさらに進むと、大沼入口に到着。冬はだだの雪原になっていると思われるのでスルーして先に進むと、やがて弁天沼と呼ばれる場所に到着した。

この場所には、石碑や鳥居、祠等がある。ここから急登に入るため、12本爪のアイゼンを装着した。傾斜が急な場所には補助ロープが掛かっているものの、雪がしっかりとある場合には、10本爪以上の本格的なアイゼンの方が良いと思う。

やや急な斜面をテクテクと歩いて行く。山岳信仰の山らしく、途中に文字が刻まれた岩があるが、基本的には見所は少ない。そんな道をのんびりと登って行くと、やがて釈迦ヶ岳方面との分岐に到着した。

この場所は展望がそこそこ良いのだけど、雪庇が出来ている時は、転落・滑落に注意したい。先に鶏頂山に向かうので右に曲がった。

分岐から山頂までは、ロープが掛かった急な斜面が続く。ロープは埋まっているものもあり、画像の状態位の積雪量であれば、チェーンスパイクは避けた方が良いと思う。

当日は霧氷の花が咲いていて、青と白のコントラストが見事だった。厳冬期のタイミングが良い時にしか見られない美を堪能しながら、ゆっくりと登って山頂に立つ。

鶏頂山の山頂はかなり広く、鶏頂山神社が建っている。登山の安全を祈願してから、神社前の展望スポットへ。向かいに高原山を構成している山々があるため、遠くは見渡せないものの、那須岳方面は良く見えていた。

正面にこれから行く釈迦ヶ岳が見えるんだけど……結構、大変そうな気がする。まあ、折角来たので分岐点まで戻り、釈迦ヶ岳方面に進むことにした。

ここまで先行していた人は鶏頂山のみだったので、分岐から先はトレースが薄く、場所によっては完全に埋まっていた。マイナー気味な山のため、八ヶ岳のような完璧なトレースは期待出来ないと思う。

訪れた2025シーズンは雪が多かったらしく、雪庇がかなり発達していた。雪庇下の斜面は岩が出ている場所も多く、踏み抜くと無事では済まないと思う。

注意深くトレースの痕跡を辿りながら進んで行くと、御岳山(御嶽山)と言う小ピークを過ぎた辺りから、アイゼンに雪が張り付き、雪団子高下駄になるようになった。気温が高かったのもあるが、アイゼンのアンチスノープレートが劣化しているのかもしれない。

定期的に雪を落としながら進んで行くと、釈迦ヶ岳手前の急登が始まった。距離は短いが、ここは結構な急斜面で、もしもロープが無かったら、下るのにピッケルが欲しくなるレベルの場所もある。固く凍結している場合には、撤退を考えた方が良いかもしれない。

何とか登り切って山頂に立つと、そこには360度の大絶景が広がっていた。標高は1,795mと低いものの、最高クラスの大展望だと思う。

南西には男体山等の日光の山々があり、北東には那須岳がある。丁度、真ん中辺りにある山なので、どちらの眺めも良い。北西には、会津駒ケ岳(だと思う)等の山々が白い帯となって見えていた。

山頂にある案内板には、「釈迦ヶ岳・鶏鳥山(中岳)・月山(西平岳)の三山参拝は古来より『三関三度』の巡拝といわれ、過去・現在・未来を生きながらにして体験・新たなる生命を宿して生まれ出るよみがえりの信仰といわれている」と書かれていたので、この三山を巡るのが高原山の参拝コースらしい。ただし、冬は釈迦ヶ岳から中岳、西平岳のルートは危ないみたいだ。

大絶景をしっかりと記録したら、元来た道を戻り、雪深い巻道を下って駐車場まで戻った。全行程10km・6時間半の最高に丁度良い、素晴らしい雪山散策だった。
動画「7分で冬の高原山」
関連サイト
エーデルワイススキーリゾート:https://edelsnow.com/
まとめ
高原山は大展望の素晴らしい山でした。周辺には温泉も沢山ありますし、もっと駐車場が広ければ、冬でも大人気になれそうな山ですね。
標高が低いため、3月下旬になると急速に融雪が進んで泥濘になりそうな気がします。天気が良いことが条件ですが、1月下旬から2月下旬が最適な時期かな~と思います。
もう行った(行ってみたい)……と言う人は↓

